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崩壊─ゲームオーバー─(11) ◆gry038wOvE 『────みなさん、正午になりました。残った参加者は、7名。あなたたちの勝利です』 加頭順のホログラムが上空に現われ、音声がそこから発された。 ダークザギと戦う戦士たちの前に、その音が鳴り響く。 怪物が暴れ狂う音にかき消されるが、それが正午を超えた事によるメッセージだというのはすぐにわかった。 『勝利を祝し、あなたたちを────』 その時、──地上では、蒼乃美希と孤門一輝が、忘却の海レーテから帰還した。 そして、佐倉杏子のソウルジェムが彼女自身の身体へと帰り、彼女は目を覚ました。 しかし、そんな事にも気づかず、加頭は、その先の言葉を告げた。 『────強制送還します』 空が裂け、そこから、奇怪なブラックホールが誕生する。 地上で暴風が吹き荒れ、参加者たちを吸いこもうとしていた。 参加者たちを識別し、それを吸収しようとする奇怪なブラックホール。 それは外の異世界と繋がっている。遂に、あれだけ求めていた外の世界とのコネクトが始まったのだ。 ◇ 赤い光に導かれるまま、孤門一輝と蒼乃美希の前で、巨大化したダークザギが暴れていた。圧倒的に規格外に巨大であり、二人も威圧感を覚えていた。 彼らの周囲には、ブラックホールの影響による強風が渦巻いている。 「……」 孤門は、自らの手に、“それ”を握りしめた。 エボルトラスター。 姫矢准が、千樹憐が、佐倉杏子が、蒼乃美希が──、共に戦っていたウルトラマンの力が、今度は孤門のもとにあるという事だった。 彼らの戦いが──彼らの魂が、そのエボルトラスターの鼓動を感じて、孤門の胸の中に蘇った。 孤門は、美希の方を振り返った。 そんな孤門の様子を見て、美希は、何も言わずに頷いた。 ──孤門は、美希に任されたのだ。 ウルトラマンとして、このダークザギを倒す力を。 「絆……」 ならば……今、孤門一輝は戦う。 ダークザギを……石堀光彦を倒す為に。 「────ネクサス!!!!」 エボルトラスターが強く引き抜かれる。 空にエボルトラスターを掲げると、“赤”と“青”の光がその中に収束し、孤門の中でウルトラマンが覚醒する。 ────共に戦ってきたウルトラマンが、自分と共にある。 その初めての感覚に──、孤門は、不思議な暖かさを覚えていた。 「デュアアッ……!!」 Nexus……それは、受け継がれる光の絆。 ◇ 佐倉杏子が、目を覚ました。 そして、ふと、その瞬間、ダークザギと戦闘中であった仮面ライダージョーカーと、目が合った。 ダークザギに攻撃しながらも、杏子の肉体に傷がつかないよう、彼が常に気を配っていたらしい。 そんな状態で戦うなよ……と、杏子は思う。 「杏子……!」 ジョーカーは、思わずその事実に驚き、戦いを忘れて杏子のもとに駆け寄った。 それは嬉しいのだが、杏子はすぐに立ち上がった。 アカルンと、キュアパインのリンクルンが傍らに転がっている。 キュアパインのリンクルン──まるで、置手紙のように残されたそれを見て、杏子は一人の仲間の事を思い出した。 (マミは──) 彼女は、どこにもいなかった。 だが、彼女がどこにいるのか、杏子はもうわかっているような気がした……。 そうだ、彼女はもう……どこにもいない。 「良かった、杏子ぉっ! 目を覚まさないかと思っちまった……」 そんな切ない気分を味わっていた杏子であったが、目の前の黒い仮面ライダーは、思わず、杏子に抱きついていた。 孤門を信用していたとはいえ、いざ杏子がこうして目を覚ますとなると、嬉しくて仕方がないらしい。 心配してくれたのは嬉しかったが──、今は、杏子も大団円をしている場合じゃなかった。 「おい、こんな時にこんな所でくっつくなよ。それどころじゃないだろ……なんだよ、あのデカいのは」 わざと鬱陶しそうに突っぱねて、巨大なダークザギの方へと注意を向けた。 ジョーカーも、そこで、やっと我に返ったように、空を見上げた。巨人ダークザギと、仲間たちが戦っている真っ最中だった。ジョーカーもまたすぐに、あそこで仲間たちを助けなければならない。 「ああ……、あれは……ダークザギの、本当の姿だ……。俺たちの力をどう使っても敵わねえ……ガドルと沖さんはもうやられちまった」 「……そうか、あいつらが」 既にダークザギが犠牲者を出している事が杏子に伝えられる。 一也は勿論、ガドルの敗北も、杏子の中ではショックな事象に感じられた。 ダークザギは強い。それは、あの巨体を見ても明らかだが、仮にダークザギが同じ規格だったとして、誰がそのエネルギーに敵うだろうか。 「でもな、もう大丈夫だ」 まだ、彼が現れていない空を見上げながら、杏子は言った。ジョーカーはそんな杏子の姿を見て少し怪訝そうにした。彼女の横顔は、決して強がりじゃない自信に満ち溢れていた。 ──大丈夫だ。 ダークザギは確かに強い。──だが、確かに“光”は、繋がった。 杏子はソウルジェムを通じて、レーテの中でそれを感じていた。 「──銀色の巨人(ウルトラマン)は、負けない」 ◇ 「花よ輝け……ッ!!」 高く飛び上がったキュアブロッサムが、ダークザギの胸のエナジーコア目掛けて、攻撃を仕掛けようとしていた。 それでもまだ……石堀を救いたい──。そんな想いを胸にしながら、これで、ダークザギに対して通算三度目のピンクフォルテウェイブを放とうとしていた。 体力は限界で、花の力も既に、使い果たされようとしている。 (──石堀さん……っ!!) たとえ、拒む力が働いたとしても。 いつか、無限の力でダークザギに力を浄化してみせたいと。 だが、無情にも、そんなキュアブロッサムの姿が、ダークザギの手によって叩き落とされる。 ブロッサムの全身をダメージが駆け巡り、彼女の変身エネルギーを消耗し、キュアブロッサムの変身が解けた。花咲つぼみの姿が現れる。 ダメージも大きいが、体力の限界だったのだろう。 「つぼみぃ……っ!!!!!!」 思わず、彼女の本当の名を叫びながら、仮面ライダーエターナルが飛び上がる。 攻撃の為ではなく、キュアブロサムを空中で抱きとめる事で、地面に直接激突するのを避ける為であった。──変身が解けた状態の彼女が地面に激突すれば、確実に死んでしまう。 つぼみの身体は、上空でエターナルに包まれるが、勢いが強すぎたために、今度はエターナルの身体も纏めて地面に向けて突き飛ばされてしまった。 ──勿論、エターナルが下になれば助かるかもしれないが、二人が受けるダメージは大きい。それは、ほとんどこの戦いでの再起不能を意味する。 「くそっ……!!」 エターナルが叫び、激突の瞬間、目を瞑った。いくら良牙とはいえ、強いダメージが全身を襲うスピードである事は間違いないと悟ったのである。 歯を食いしばり、激突の衝撃に耐えようとする。 「くっ……──」 しかし……。 ──いつまで待っても、地面と激突する事はなかった。 「────…………」 それを奇妙に感じて、おそるおそる目を開けたエターナルが見たのは、──巨大な銀色の顔であった。 それは、こちらと目を合わせていた。──不思議な安心感が、響良牙の中に湧きあがってくる。 ここは、その顔を持つ巨人の掌の上だった。彼は、エターナルとつぼみをその手で優しく包んでいた。 二人は、その姿を、どこかで見た事がある。 「ウルトラマン──」 つぼみも、瞼を開いて、その顔に向けて呟いた。 そう、彼はウルトラマンだ……。杏子が変身していた戦士である。 だが、見た事があるというのは、決してウルトラマンの姿の話ではない。──そこにある、誰かの面影の事だった。 「孤門……なのか?」 エターナルは、こちらを見つめるウルトラマンの巨大な顔に、孤門一輝の面影を感じていた。 つぼみも同様に、それが孤門であると気づいていたが、驚きのあまり、閉口していたように見上げていた。 そして、次の瞬間、エターナルとキュアブロッサムの身体が浮き上がる。 「あっ……」 二人の身体は、ブラックホールによって吸い込まれようとしているのだ。 だが、二人を見て、ウルトラマンは頷いた。 後は任せろ、と。 ──響良牙と花咲つぼみが、この殺し合いを終えようとする中、孤門一輝の笑顔がそこに見つかった気がした。 「おいっ!」 良牙が、大きな声で孤門を呼びかけた。ネクサスが空を見上げる。 エターナルは、最後に、この場所で五代雄介や一条薫から教わった“サムズアップ”を見せて──空に消えていく。 良牙は、言葉ではなく、それを見せたかったのだ。 その想いは、ウルトラマンの──ウルトラマンネクサス、孤門一輝の胸で勇気へと変わる。 「デュアッ!!」 ウルトラマンネクサスは、目の前の敵──ダークザギと向き合い、構えた。 二人のサイズ差は大きくない。ようやく、同じ土俵に立って戦える相手同士になったというわけである。 そんなネクサスを見て、ダークザギは少なからず動揺していた。 「バカな……ッ! 奴は闇に沈んだはず……! あの闇の中から抜け出せるはずがない……! まして……人間ごときがッ!!!」 こうして、レーテを抜け出してくる者が現れるはずはない。 あの闇は人間は決して戻る事ができない絶望の淵にある。 その中で人は苦しみ、もがき、諦め、恐れ、絶望する。 そんな場所であるというのに──。 「────バーカ!! お前ごときが人間に勝とうなんざ、100万年早えんだよ!!!」 エターナルたちと共に空に浮きあがっていく、ガイアポロン──涼村暁が、ダークザギの横顔に向けて叫んだ。 その声は、確かにダークザギの耳にも聞こえた。 奴は、この状況でおどけようとはしていなかった。しかし、今は、それまでの暁の調子に戻ったようにも見える。 つまり、奴らは──勝利を、確信しているのだ。 「おのれ……っ!!」 ダークザギは、苛立ちを胸に秘め、駆けだす。そして、ネクサスめがけてパンチを放った。 アンファンスのネクサスなど、ダークザギどころかダークファウストですら葬れる相手だ。そう。まだ慌てる段階ではない。まだ、“奴”は復活していないのだ。 真の力を使っていないネクサスは、敵ではない。──ならば、真の力を使う前に撃ち倒すのみ。 「くっ……!」 ダークザギの一発のパンチで、ネクサスの身体は、大きく吹き飛ばされる。 ネクサスは、周囲の森を巻き込んで大きな尻もちをつき、大地を鳴動させる。 ──アンファンスの力は、確かに、ダークザギに立ち向かうには弱かった。 まだ、ウルトラマンの力を使い慣れていない孤門の変身であるせいもある。 だが── (────立て、孤門! お前は絶望の淵から何度も立ち上がった……だから俺も戦えた) その時、姫矢准の声が、ウルトラマンネクサスに呼びかけた。 姫矢がネクサスの中にいる……。姫矢が力をくれる……。 ネクサスは、痛みにも負けずに、地面を握りしめて立ち上がる。 (姫矢さん……!) そうだ……こんな所で倒れている場合じゃない。 諦めない……。 立って、奴と戦うんだ……。 「……聞こえたか? ザルバ……」 『ああ、あれは姫矢准って奴の声だ。──どうやら、あいつが奴に力を貸してるみたいだぜ』 空に昇っていく零とザルバは、そんな事を言い合った。 一見すると頼りのないウルトラマンであったが、彼は諦めない。 ここにいる誰もがそうであったが──、諦めずに立ち向かっていく勇気がある。 「フン……ッ!」 ────その瞬間。 ウルトラマンネクサスのエナジーコアが光り、姫矢准の想いが、はっきりとした形で力を貸した。 ──赤く熱い鼓動が、ネクサスをまさしく赤色に変える。 ネクサスは、ジュネッスの姿へと変身したのである。 ネクサスの力は確かに撮り戻っていく。 「……ッ!」 ダークザギも、立ち上がった彼の新しい姿に構えた。 ネクサスは、ジュネッスの命の色を全身で感じ、姫矢准が使っていた技を再現する。 大地に向けて、二つの腕を重ね、エネルギーをためて腕を十字に組む。 瞬間──、一瞬だけ、ネクサスの全身に、パッションレッドのラインが駆け巡る。 「ハァァァァ…………フゥッ!!!!!」 オーバレイシュトローム──、その光線が、ダークザギに向かっていった。 ダークザギは、それを両手で受け止めようとする。 ほんの一瞬だけ苦戦するが、ダークザギは、それをあっさりと打ち消した。 この程度では、まだ温い──! 「ハァッ……!」 「フンッ……!」 それでも、今度は肉弾戦でダークザギに立ち向かっていくネクサス。二人の距離は縮まり、ダークザギはネクサスに向けてパンチを放とうとしている。 ダークザギの拳を避け、脇腹に蹴りを叩きこんだネクサス。 だが、その直後、ダークザギの圧倒的な連撃を受け、ネクサスは、肩で息をするようになってしまう。やはり、肉弾戦には慣れていないのだ──。かと言って、光線はダークザギには通じない──。 「……チッ。嫌な姿を見せやがって」 ブラックホールに飲み込まれようとしている血祭ドウコクと外道シンケンレッドも、その姿を遠目で見ていた。 ドウコクが、それをどういう意味で言ったのかはわからない。 姫矢と同じジュネッスのネクサス、そして、一瞬だけ見せた杏子と同じジュネッスパッションのネクサスを嫌悪したのか、それとも、ダークザギに押されているネクサスに不快感を示したのか。 それはわからない。 ただ、生還という目的を前に、気を緩め、彼もいつも以上に思わぬ事を口にしてしまう状態であった事だけは、確かだった。 ◇ ベリアルたちによって“管理”された一つの世界──、孤門の故郷でもあったこの世界で、一人の青年・千樹憐がモニターを見上げていた。 街頭に設置された巨大モニターは殺し合いの様子を映していたが、それを率先して見ようとする者など、殆どいなかった。多くの人は、この世界の真実を知り、この殺し合いを目の当りにして、“管理”に屈し、死んだ目でされるがままの作業を行っている。 しかし、憐は、そんな中でも、管理者たちに屈せず、裏の世界で反乱するメンバーの一人として戦っていた。和倉英輔や平木詩織などのTLTの人間もこちらについている。 その日は、孤門たちの最後の戦いを目にするべく、隠れて町に出ていた。 そして、今、孤門がウルトラマンとなって戦っているのを、憐は今、見ている。 (そうだ、孤門……俺も孤門のお陰で……、こうして管理なんかに負けずに、運命にだって逆らって、俺は生きてる! だから……) 憐は今日、この世界で一人の少年に出会ったのだ。 まるで憐と同じような境遇である。彼も先天的に不治の疾患を患い、それによって病弱でありながらも、パイロットを目指しているらしい。 彼も諦めなかった。彼も管理には負けなかった。彼も前を見ている。 憐は、そんな彼の姿に勇気づけられている。支えられている。 「……あれは、パパと見た銀色の流星だ」 その少年──真木継夢は、今、憐の隣で言った。 管理されている人間たちも、呆然とモニターを見つめていた。 もしかしたら、勝てるかもしれない……。 誰もがそんな想いを少なからず持っていた。 風向きが変わっている気がする。 「────負けるなッ!! 孤門!!!! 俺も孤門のお陰で戦えた!!!! ウルトラマンとして!!!!」 憐の声が街頭で響いた。人々の目が、そこに注目した。 それは、町中に管理者の目がある中で、自らの正体を明かしてしまうような物だった。 孤門一輝が千樹憐の名前を出したのを見ている者もいる。──そして、憐は今、この世界ではお尋ね者なのだ。 しかし、その直後に、継夢が叫んだ。 「がんばれぇぇぇぇぇぇぇっ!!!! ウルトラマン!!!!!!!」 それは、二人による明確な反逆だった。 管理された世界の時が止まる──。彼らは何者だろう──、と、誰もが思った。 しかし、やがて、どよめいた周囲は、そんな事を気にしなくなり、彼らの想いがどんな物であるのかを胸の中に思った。 そして、彼らも次々と声を張り上げた。 「そうだ、負けるなっ!! ウルトラマン!!!」 「がんばれーっ、ウルトラマン!!!」 「行けぇっ!! ウルトラマン!!!」 今、この世界で、管理の力を越える人々の反乱が起こったのだ。 彼らの管理を任された財団Xたちは、それを鎮静化しようとするが、そんな邪魔は全く、人々には通らなかった。 ましてや、財団Xの中にさえ、別の組織による管理を快く思わない者が何人もいたようで、それを止めようともせず、無言の反逆をする者がいるという有様だ。 騒ぎの波紋はだんだんと大きくなっていく。 人々はだんだんと、ウルトラマンを大声で応援するような形で結託していった。 「……人間の力は、イッシーが──ダークザギが思っていたほど弱くないみたいですね」 「ああ。俺たち人間を敵に回した事こそが……奴の、そして、管理者たちの最大の誤算だ!」 憐や継夢と同じく町に出ていた平木詩織と和倉英輔も、その光景を見て、そう言った。 この世界の人間たちの希望が、時空を超えてウルトラマンに届いていく。 それはウルトラマンだけの力ではなく────人とウルトラマンとが支え合う事で、初めて生まれる力であった。 ◇ 孤門に憐の声が届いた。 時空さえも超えて、憐の“青”がウルトラマンネクサスに力を貸す。 ネクサスの身体が、光に包まれる。 「──ハァッ!!!」 姫矢の赤いジュネッスの姿だったネクサスは、時空を超えて届いた力を借りて、今度は憐のジュネッスブルーに変身する──。 新米ウルトラマンに、新しい力を貸す為に──。 それは、この場にいる者たちは初めて見る光だった。 「命の光……生きる者たち全てが違う、光の色……」 「ぶきっ!」 参加者ではなく、“支給品”であるレイジングハート・エクセリオンは、子豚を抱いて、空へと自力で飛んでいた。 彼らは、ブラックホールに自ら向かわなければ、元の世界に帰る事が出来ないのだ。 しかし、このまましばらく、彼の戦いを見ていたいと、その姿を空中に留まらせている。 「デュア……ッ!!」 孤門に力を貸すのは、姫矢准や千樹憐──そして、ここで生還している参加者たちだけではなかった。 かつて、ダークザギに操られていた溝呂木眞也も、その声を孤門に届かせる。 ────孤門、俺の過ちを正してくれ。 ────人の心は弱く、世界は闇で満ちている。 ────だから人はたやすくそれに呑まれてしまう。 ────だがな……。 溝呂木は、その先は何も言わなかった。 だが、──孤門は、恋人を殺した溝呂木眞也の罪を、許そうと思う。 孤門もまた、闇にその身を落とそうとした事がある。 人間は弱い。 だが……だが── 孤門がかつて尊敬した先輩──西条凪の声が、孤門を助ける。 ────ダークザギ、お前は私たちには勝てない!! ────私たちは決して諦めたりしないから……!! ────そして、 ────人と人との絆は、光そのものだから……!! 「シャァッ……!!」 ウルトラマンの光と共に吸収された、キュアベリーの光が駆け巡り、一瞬だけ、蒼乃美希だけが持つ色を──ネクサスは、現出した。 ネクサスの右腕のアローアームドネクサスにエナジーコアの光が投影され、アローが形成される。 光の弓──アローレイ・シュトロームに、美希の想いが現出した剣が重なり、今誕生した新たなる技がダークザギを狙う。 オーバーアローレイ・シュトローム。 不死鳥の矢が、ダークザギに迫っていた。 「ウウガァッ……!!」 だが、その一撃を、ダークザギは片手で跳ね返してしまう。 流れ弾となり、地面に1エリア分ほどの大きなクレーターが出来た。──それを見て、そこにいる者たちは、決してネクサスの攻撃が弱かったわけではない事を理解する。 遠くで、爆発音が遅れて聞こえた。 「全然効いてねえのか……!? でも……それなのに……負ける気がしねえ……ッ!!」 仮面ライダージョーカーがその姿を見て感服する。 彼は──左翔太郎は、以前にも、銀色の巨人に助けられた。 あの時、思わず「銀色の巨人」と言ってしまった翔太郎は間違っていなかったのだ。 そう、杏子が言った通り──ウルトラマンは負けない。 ウルトラマンは、仮面ライダーと同じくらいに強い。 「まだだっ! まだ……まだウルトラマンは戦える……ッ!! ウルトラマンは、私たちの絆がある限り、もっと強くなる……ッ!!」 「私たちも、孤門さんの優しさと、強さに何度も助けられてきた……だから、──」 佐倉杏子と蒼乃美希が、空へと登り、ブラックホールの中へ消えていった。 左翔太郎もまた、ブラックホールに吸い込まれていく。 ────がんばれぇぇぇぇぇぇぇっ!!!! ウルトラマン!!!!!!! だが、そんな声が、あのブラックホールが繋いでいる異世界から洩れてきた。 ウルトラマンを応援している歓声が外の世界から聞こえてくる。 その祈りが、その希望が、その声が、その力が──ウルトラマンを強くする。 絆が、光に変わっていく……。 「あれは……」 ジュネッスブルーのウルトラマンネクサスが、全身を光に包み、真の姿へと変身する。 彼の背中に羽が生える。 赤と青の力が重なり、やがて、その姿に銀色の光が灯される。 ダークザギが最も恐れた戦士が、今、人々の祈りを経て爆誕した。 「ハァァァァァァァァ……ッ!!!!!!! ハァッ!!!!!!!」 ──光の戦士の究極の姿、ウルトラマンノア 最強のウルトラマンの姿へと、今、孤門一輝が変身したのである。 ブラックホールの中で、血祭ドウコクも、外道シンケンレッドも、涼村暁も、涼邑零も、レイジングハートも、響良牙も、花咲つぼみも、鯖から生まれた子豚も、佐倉杏子も、左翔太郎も、蒼乃美希も、その輝きを目にする事になった。 その姿を前に、ダークザギは──強い興奮を覚えた。 奴が……奴が復活してしまった。 ダークザギが、最も恐れて、最も憎んでいた敵が。 「────ウグァァァァァッァァァァァァァァァァァォッッッッ!!!!!!!!!」 ダークザギは、気づけばウルトラマンノアへと駆け出していた。 実は、ダークザギは、ウルトラマンノアのコピーとして作られた巨人である。──あるいは、それはダークプリキュアや相羽シンヤと同様、彼もまた、「コピー」である事へのコンプレックスを、このノアに対して、常に感じ続けていたのだ。 その苦しみが、その苦悩が──ダークザギを、冷酷な破壊神にしたのである。そして、彼は、ダークプリキュアやシンヤのようにそれに打ち勝つ事はできなかったのだ。 「ハァッ!!」 ダークザギは、ウルトラマンノアに向かっていくが、伝説の神が現れた瞬間、二人の形成は完全に逆転していた。 ダークザギのパンチはノアに回避され、逆にノアがダークザギに蹴りの一撃を見舞う。 ウルトラマンノアのキックは、ダークザギを数十メートル後方まで吹き飛ばす。──これまでとは全く逆の、圧倒的な孤門の優勢。 「グァァ……ッ!!」 ダークザギが反撃しようとするが、ノアは悠然とそれを避けてしまう。 ノアは、まるでひらりと身をかわすように、ダークザギの攻撃を全て回避し続けた。 次の瞬間には、ノアのパンチやキックがザギの身体を傷つける。ネクサスの攻撃に比べて、なんと強い──。 そして────。 「シュッ…………ハァァァァァァァァァ…………」 ウルトラマンノアは、左腕にエナジーコアのエネルギーを蓄積した。 ダークザギは、ノアの攻撃を連続して受けた事で、反撃をする事ができなかった。 ノアは、一周回転して、ふらついているダークザギに、1兆度の炎を纏ったパンチ──ノア・インフェルノを叩きこんだ。 ノアの腕からダークザギの身体に向かって、火柱が上がる。 「オアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 ダークザギの身体は、火柱に押されて、島の向こうに吹っ飛んでいく。 ──やがて、雲を超える。 ────大気圏を超える。 ──────そして、遂にダークザギの身体は、果てしない宇宙空間まで吹き飛んでいった。 ノア・インフェルノの力がそこで消える。ザギもノアの攻撃に打ち勝ったのだ。 ダークザギは、真っ黒な宇宙から、その惑星にいるウルトラマンノアを見下ろしていた。 ウルトラマンノアも、宇宙にいる彼を睨んでいた。 「「──ハァァァァァァァァァァァァァァァァ」」 ──ウルトラマンノアが、エナジーコアからのエネルギーを受け、腕を組み、ライトニング・ノアを放つ。 ──ダークザギもまた、ノアに向け、最終必殺光線ライトニング・ザギを放つ。 二つの光線は、この数千キロの果てしない距離を超えて真っ直ぐに敵に向かっていき、その中点でぶつかった。 宇宙空間で、二つの光線が激突。 ザギのライトニング・ザギが一瞬だけライトニング・ノアを圧倒した。 だが── 「闇を恐れることなく、乗り越えていく力……それこそが────僕たちの強さだ!!」 ウルトラマンノアの力は、圧倒的であった。 ノアが更に力を込めると、ライトニング・ザギのパワーは、ライトニング・ノアの希望の力に押し負けていく。 そして──ダークザギの身体は、次の瞬間にライトニング・ノアに飲み込まれていった。 ◇ ライトニング・ノアの力に飲み込まれる最中──ザギの目には、殺し合いが行われたあの星が、遠くに輝いて見えた。 幾つもの星々が輝く宇宙の果てで、かつて、“来訪者”たちの希望として作られたダークザギは、思った事がある。 ──この宇宙に二度と苦しみが生まれない為には、何を成せばいいのだろう。 ──永遠の平和とは何だろう。 そうだった……。彼もまだ、その時は一人の平和を守る戦士として、宇宙の平和の事を真っ直ぐに考えていたはずだった。 M80星雲。──かつて、そのある星で、ダークザギは、人々の為に戦っていた。 ビーストの脅威に立ち向かう“来訪者”たちが、ビーストを倒したウルトラマンノアを作りだした人工生命ウルティノイド──その名が、「ザギ」。 ビーストと戦い、来訪者たちを助け、平和を守る──それが、ザギの使命だった。 彼らの命令を聞き、彼らの為に生きる事こそ、ザギの誇り。 彼は、来訪者たちの思う通りに生きてきた。 やがて、ウルティノイドの中に自我が芽生え、自分で考える事が出来るようになった。 すると、今度は、来訪者たちの為に戦うウルティノイド・ザギの中にも、ウルトラマンノアの模造品として作られた自分自身への苦悩が、どこからともなく湧き出た。 どれだけビーストを倒しても、人々が求めるのは、ザギではなくノアの力である事に、彼は気づいてしまったのだ。 自分は誰にも求められていない。「ノア」の代わりに作られ、「ノア」の代わりに生きる。 自分の命とは何だろう。 自分の存在意義とは何なのだろう。 自分は何の為に生まれ、何の為に生きるのだろう。 ザギはそれでも戦い続けた。しかし、ビーストと戦っていく中で、争い合う人々や、不安に駆られ、絶望に飲み込まれ、他者を傷つける者たちを何人も目にする事になった──。 そして、その戦いを超えていくうちに、彼は、結論した。 ──「永遠の平和」とは「虚無」!! ──心が存在しなくなれば、生命が存在しなくなれば、苦しみも悲しみも消え失せる……!! ゆえに、彼は、いつしか、来訪者たちの英雄から、宇宙の脅威へとなり下がり、落ちぶれていく事になった。ビーストを使役し、人間を利用し、あらゆる手段を使って宇宙の全てを滅ぼす悪の戦士となってしまった。 自分は、ノアの代わりにはならない。 ノアの“敵”となればいい。ノアの“逆”になればいい。 ノアが誰かを救うならば、ザギは何かを壊せばいい。 それによって、“虚無”の中で世界に平和を齎せばいい……。 そうすれば、争いもなくなる。殺し合いも、死も、死に至る生の存在もなくなるのだ。 だが。 宇宙を全て無に返し、全ての命を奪う事が──いかに、残酷な事なのか。 それは、平和と呼ぶには、生ける者たちにとって、最も無責任な行為であると、彼はまだ知らなかった。 永遠の命を持っているが為に、彼は、“虚無”が、彼には正確にはわからなかったのだ。 そして今。 遠く、宇宙の深淵に消え、この世界の外に弾かれ出され、「虚無」の世界に落ち込んでいく時────彼は思った。 (消えたくない……!! 俺は……、俺は、こんな所で……!!) 虚無になってしまえば、苦しみが消えるが、喜びも消える。 自分自身の何もかもが消えていく。 この想いも。この、“消えたくない”という気持ちも。 だが── 「グァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!!!!!」 俺の喜び……ふと思ったが、それは何だったのだろう。 そう、ダークザギの頭に何かが過った時── ──この宇宙ので、巨大な爆発が起きた。 ダークザギの身体が、ライトニング・ノアの光に包まれた瞬間だった。 彼の身体が崩壊していく。 体はばらばらになり、その中にあった意識も、ノアの光の中に消えてしまう。 「 」 ……何もない宇宙の果てで、ダークザギの意識は、虚無の世界に途絶えた。 虚無に飲み込まれた時、彼は、自分自身の存在意義を考え、答えに辿り着く喜びを得る事も──そして、それを感じさせてくれた何かに気づく事さえできなくなってしまったのだ。 いや、今、それに気づいたとしても、遅すぎたのだが──せめて、最後に一瞬でも気づく事が出来れば、彼自身は何かに救われる事ができたかもしれない。 しかし、それが出来なくなるのが、“虚無”。 暗黒の破壊神が、ずっと求めてきたものだった──。 【石堀光彦/ダークザギ@ウルトラマンネクサス 死亡】 【残り10人】 ◇ 遠いいつか、“彼女”が言ったのを、孤門一輝は思い出した……。 「────私、信じてる。孤門くんなら、きっと守ってくれるって……」 ◇ 時系列順で読む Back 崩壊─ゲームオーバー─(10)Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) 投下順で読む Back 崩壊─ゲームオーバー─(10)Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 左翔太郎 Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 外道シンケンレッド Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 涼村暁 Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 石堀光彦 Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 桃園ラブ Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 蒼乃美希 Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 孤門一輝 Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 佐倉杏子 Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 巴マミ Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 花咲つぼみ Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 響良牙 Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 涼邑零 Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) レイジングハート Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 沖一也 Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 血祭ドウコク Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) ゴ・ガドル・バ Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 加頭順 Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) カイザーベリアル Next 崩壊─ゲームオーバー─(12) Back 崩壊─ゲームオーバー─(10) 高町ヴィヴィオ Next 崩壊─ゲームオーバー─(12)
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【宇宙の騎士テッカマンブレード】の支給品一覧 テッククリスタル 相羽タカヤ、相羽シンヤ、相羽ミユキ、モロトフのデフォルトアイテム。 それぞれがテックセットするための変身アイテム。 +支給品の消費と経過 消費と経過 テッカマンブレード用 相羽タカヤ→D-8エリアに放置(遺体とともに埋葬) テッカマンエビル用 相羽シンヤ→F-6付近に放置→泉京水→一条薫→響良牙 テッカマンレイピア用 相羽ミユキ→F-2エリアに放置→西条凪 テッカマンランス用 モロトフ→破壊 シンヤのマイクロレコーダー 蒼乃美希に支給。 宇宙の騎士テッカマンブレード 第46話『時の止まった家』に登場した、相羽家の庭に埋まっているタイムカプセルの中に入っていたマイクロレコーダー。 10歳の相羽シンヤが大人になった相羽タカヤに向けて、僕達の絆はいつまでも変わらないというメッセージが録音されています。 +支給品の消費と経過 消費と経過 蒼乃美希 アマリリスの花 三影英介に支給。 相羽ミユキの好きな花。 +支給品の消費と経過 消費と経過 三影英介→花咲つぼみ→D-5エリアに放置 アイリッシュ・ウィスキー 東せつなに支給。 バーナード軍曹が飲んでいた酒。配置されているコンビニ等にも置いてあるが、バーナード軍曹が飲んでいるのと同じ瓶と銘柄はこの会場ではオンリーワン。 +支給品の消費と経過 消費と経過 東せつな→佐倉杏子→血祭ドウコク→消費・瓶破損 D-BOY FILE 蒼乃美希に支給。 ハインリッヒ・フォン・フリーマンがDボウイとラダムとの戦いを記録した極秘データ。カードの中にDボウイに関する記録が残されている。 一部の総集編(11話、27話)ではこのファイルに記録されていた内容を回想している設定になっているが、第27話で何者か(おそらくノアル)が持ち去っている。つまり、記録されているのは27話分まで。 +支給品の消費と経過 消費と経過 蒼乃美希→沖一也 ソルテッカマン1号機改 志葉屋敷内に配置。 説明書は17 00に起動可能になった際に配置場所の近くに転送された。 原作ではバルザックが装着したソルテッカマン。 フェルミオン砲とレーザーガンの装備は揃っているが、エネルギーがどの程度あるか、補給場所があるのかも現在のところは不明。 +支給品の消費と経過 消費と経過 ※1日目17 00、起動可能になります。 B-2エリアに配置→涼邑零 ソルテッカマン2号機 警察署内のトレーニングルームに配置。 詳しい説明書などが一切ない(配置場所が書かれたメモや説明書等が誰かに支給されているか、どこかに配置されている可能性もあるが、少なくとも配置場所付近にはない)。 原作ではノアルが装着したソルテッカマン。 フェルミオン砲とレーザーガンの装備は揃っているが、エネルギーがどの程度あるか、補給場所があるのかも現在のところは不明。 +支給品の消費と経過 消費と経過 ※1日目17 00、起動可能になります。 F-9エリアに配置
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紳士怪人? ◆gry038wOvE ダークザギ──石堀光彦は、暗い森の中でこれからの行動を考える。 自らの目的は何か? この石堀という名を借りて自らがやろうとしていることとは何か? それはウルトラマンの光を西条凪へと回し、闇に縛られた彼女の意思で光を消し去ることである。 そのために彼女がまだ幼い頃から、あらゆる手段を使ってビーストと関わるように仕向けた。 その崇高な目的を妨害したのがこの殺し合いである。 殺し合い……本来、闇の存在であるダークザギとしてはこの宴を楽しむべきであろう。 殺戮の祭、闇に堕ちる人間たちの姿を楽しむ好機────だが、今は素直に楽しむことさえも難しい。 名簿には孤門一輝や西条凪、姫矢准や溝呂木眞也の名がある。 孤門……この男は石堀としてのザギの「仲間」という役職の人間である。石堀にとっては騙しやすい相手でもあった。 姫矢は現在の光の持主であり、注意して観察したい相手だ。この光が凪へと渡ったときに石堀は動き出す。 溝呂木は石堀が闇の力を授けた人間のひとりでもある。ダークメフィストとしての姿を持つ彼はおそらく参加者を殺すために動くだろう。 ──まあ、こいつらはどうにでもなる相手だ。 一番の問題は凪だ。まだ彼女にはウルトラマンの光が回っていない。 ────ゆえに、彼女が持つ光を闇に変換してノアを消し去ることもできない。 だから、自らの生存、そして凪の生存……この二つを両立させるために、今は「加頭を倒す」という手段を取ろうと思っていた。彼が来た時間軸は、まだ石堀光彦としてのダークザギを見せていた頃である。どんな状況であれ、それらしく振舞わなければならない。 加頭の「報酬」が本当の事ならば、優勝して光を消し去るのも一つの手として考えられるだろう。しかしまだ信憑性があるとはいえない。 どちらにせよ、自ら手を汚す必要はない。溝呂木が勝手に参加者を殺し尽くしてくれるのはなんとなく想定できる。参加者を減らしてくれるのは有難いことだ。 (支給品は3つか……) デイパックを漁れば、支給された武器の数々。 幸運にも彼に支給された武器は三つもあった。支給される最大の数である。 一つは、石堀もよく知る「メモレイサー」という携帯電話である。 この携帯電話によって記憶の欠片を消された人間も多い。このメモレイサーの画面の光を受ければ、ウルトラマンやビーストに関する記憶全てを消してしまうという、石堀にとって都合の良い道具でもあった。 ナイトレイダーA班だけでなく、メモリーポリスにまで武装の窃盗が及んでいたということか……。 そういえば加頭という男は、ドーパントなる怪物に変身するガイアメモリという武器まで持っていた。TLTの武器だけでなく、TLTさえ越える武器を持っているということか。 二つ目は、金属を腐食させる「korrosion弾」とそれを発射するライフルだ。 石堀はこれがおそらく人体にも有効と見た。弾丸が発射されるスピードと摩擦だけで充分人の体を貫く。 だが、この弾丸が作られた目的は一体何だろうか……? 金属を瞬時に錆びさせる弾丸に、どんな意味があるというのだろう。 三つ目は、「110」というナンバーの書かれたシャンプーである。 確かに生活が快適になるという利点があるが、石堀は女々しい人間ではない。 だいたい、シャンプーは民家やホテルから調達できるだろう。なぜ武器として支給されたのだろうか。 (ガイアメモリという武器はないか……だが、メモレイサーは使える) メモリーポリスに所属しているわけではないが、メモレイサーを扱うのはそんなに難しいことではない。石堀にとってもかなり使える道具だとと感じた。 石堀にとって都合の悪い記憶は大概ウルトラマンやビーストに関わる事であるため、これを私用で使うことができるのはやりやすい。 場合によっては孤門や姫矢の記憶を消すことにもなるだろう。 (……加頭は俺の正体に気づいているのだろうか。いや、どちらにせよ迂闊な真似はできない。まだ『石堀光彦』を続けた方が良さそうだな……) その時、石堀の目に丁度一人の少女の姿が留まった。 ナイトレイダーの班員・石堀光彦ならば、こんな場所に放り出された少女を見捨てるか? 確かにナイトレイダーの職務は人の命を護ることではないが、一応「見て見ぬフリ」を孤門あたりに見られると厄介だ。それに、今人間になりすましている石堀は、「人の道」とやらを表向き貫かなければならない。 よって、今はあの少女を保護だ。 人間の信用を得るのはダークザギの得意分野────それは、この場においても変わらない。 ★ ★ ★ ★ ★ 「私、堪忍袋の緒が切れました!」 いきなりこの台詞を吐いたのはキュアブロッサム──花咲つぼみである。 確かにクモジャキーはプリキュアの敵の一人であった。 だが、その命をあんなにも粗末に奪い、まるで人々を殺し合わせるための見せしめのように使う加頭はクモジャキーなんかよりも、もっと許せない。 他にも二人、あの場で「首輪の効力を教える」ためだけに殺されている。 NEVER、テッカマンなどと呼ばれていたが、彼らが何者なのかはわからない。知っているのは、砂漠の使徒だけである。それと同じく、この二つ何かの団体名・組織名だろうか? 「私の友達まで巻き込んで……加頭さん、絶対に許しません! 誰も死なずにこの殺し合いを終えてみせます!」 ドーパントという怪物に変身する加頭──その姿にはつぼみも強い恐怖を抱いた。 あれはガイアメモリという道具によって人間が変身するようだったが、あの異形は人のものとは思えない。 彼に立ち向かう──それには強い勇気が必要だった。 来海えりか、明堂院いつき、月影ゆり……仲間たちがいれば、もっと勇気が出るかもしれない。 確かに友達が巻き込まれたことは悲しむべきことだった。しかし、加頭を倒すという目的においては心強い。 ここにいてくれたのは嬉しい。 ただ、ガイアメモリがあらゆる人に支給されている以上、プリキュアであろうと彼女たちに生きて会えるという可能性は──── (…………いえ! きっとみんな生きてます! えりか、いつき、ゆりさん……無事でいてください!) 悲観的になってはならない。そのネガティブがいけないのだ。 つぼみは長い時間をかけて変わった。だからもう弱い自分ではいたくない。 四人のプリキュアで力を合わせて加頭を倒す。そして、元の日常に帰るのだ。 …………とはいうものの、つぼみ自身も立場としては微妙であった。 支給品は鯖ひとつ。何故こんなものが支給されたのかはわからない。そもそも鯖は放っといたら腐るんじゃないか? 加頭の言ったガイアメモリという道具は入っていなかった。あれはあくまで、アタリ中のアタリらしい。 支給品には全く恵まれず、このままどうして生きていけばいいのかと溜息をつく。 迂闊にプリキュアの姿になって周囲に正体を明かすわけにもいかないし……。 「君!」 「ひっ!」 そんな小さな不安が頭をよぎる中、背後からかけられた声につぼみは驚いた。 知らない人の声だ。もしかしたらガイアメモリの力で怪物になれて、自分を殺す気の人かもしれない。 振り向くのを躊躇うくらいに怖かったが、なんとか勇気を振り絞って振り向く。 「驚かせてしまったかな」 そこにいたのはごく普通の青年の姿。 ドーパントでなかったことに少しだけ安心を感じたものの、彼がどこの誰だかわからない人間であるために、まだ不安は残る。 「えっと……あなたは……? えっと、こういう時は自分から名乗るのが礼儀ですね! わ、私、花咲つぼみって言います」 「そうか、俺は石堀光彦。まあ、よろしく頼むよ」 石堀と名乗る男は、つぼみを襲ったり殺そうとしたりする様子がなかった。 つまりは、最初に出会えたのはドーパントに変身した人間でなく、ちゃんとした優しい人だったということ。 それで安心して、つぼみは少しずつ調子を取り戻していこうと思った。 「……君も殺し合いをする様子はないか。まあ、その年齢で人殺しなんかになりたくはないだろうからな」 「ていうことは、石堀さんも殺し合いをする気はないんですね! じゃあ私たちは仲間です!」 「仲間?」 「ええ、一緒にこんな事を止める為の仲間です!」 つぼみはこうして殺し合いをしない人間を最初に見つけたことを幸運に思う。 プリキュアでなくても、同じ思いを持つ人はみんな仲間だ。 石堀という大人の男性には、少し心強さも感じる。もっとたくさん人を集めて、加頭を倒すために団結したい……そう思っていた。 多くの人が集まれば、それだけ良い案も生まれるというものだ。 (なるほど…………使いようもないただの子供のようだな) ────石堀のもう一つの思考が始まる。 やはり彼女はなんということのない、ただの女の子。できて、簡単な料理というところか。 つまりは石堀にとって不要な存在。 だが、それゆえにここでは切らない。不要な存在を持ち歩くことは、なぜか人間の世界では「善」らしい。 これは孤門などと行動するときに逆に好都合か。 「仲間っていえば、俺の仲間もここにいたな。彼らなら君の保護もしてくれると思う」 「そ、そうです! 私の仲間もここにいました!」 「俺の仲間はパンスト太郎っていうヤツと、血祭ドウコクっていうヤツなんだ」 「……え? 随分変わってますね、石堀さんの友達」 「はっはっはっ! 冗談だよ。孤門一輝と西条凪。溝呂木眞也と姫矢准も一応知り合いだ」 軽い冗談を飛ばし、きょとんとするつぼみをよそに、石堀は自分の仲間の名を紹介した。 利用している相手に過ぎないのだが、表面上は彼らも仲間だ。ある程度本当の情報を流している。 間違った情報を与えると孤門や凪と会ったときに面倒だ。 こういう時、特に自分への信頼が強い詩織がいれば好都合だったが……。 「えっと、私の知り合いは来海えりか、明堂院いつき、月影ゆり、それと…………」 つぼみも自分の仲間の名前を紹介するが、あるところで口は止まった。 ダークプリキュアと知り合いであることを言ってはならないと思ったのだ。 一応、彼女はプリキュアであることを隠して生活している。それで何故ダークプリキュアを知っているのかと問われてしまうだろう。 逆に石堀もウルトラマンやナイトレイダー、ビーストのことは話してはならないことになっているので、話すのを避けているが……。 「……それだけです」 「何か言いかけたようだが?」 「私の勘違いでした! すみません!」 「……? そうか……」 と、納得せざるを得ない石堀である。 まあ、彼女は隠し事が得意そうなタイプではないし、あまり気にするほどのことでもないと思った。 これで粗方聞くべきことは聞いた。 (あとは、何の手がかりもなしに「仲間」を捜すだけか……) 彼という存在が危険なのか、或いはそれは心のうちのみに終わり散りゆくのか……。 怪人と認識される日が来るか、ただの紳士として人々の心に残るか。 彼自身にもわからなかった。 ────また、そんな二人の様子を見つめる者がいた。 彼もまた、怪人でありながら、表の顔は人間──それも東京都知事という特異な男であった。 ★ ★ ★ ★ ★ 知っているか! 東京都知事・黒岩省吾の正体は暗黒騎士ガウザーである。ダークザイドの幹部にして、人間のやり方で日本を征服しようという野心を握っているのだ! ────だが、今回はそんな経緯が邪魔して、今ここで彼が堂々と人を殺すことはできなかった。 東京都知事が人殺し────そんなこと、できるものか。 表向きは親切な紳士を装っているのだから、東京を東京国として独立させてダークザイドによる侵略をするためには、まだ堂々と殺しをするわけにはいかない。 無論、邪魔者は容赦なく消す。 具体的に言うならば、涼村暁とかいうちゃらんぽらんな探偵とかだ。 どちらにせよ、それは数少ない例外。 ここにいる参加者はまともに戦い続けて勝てる相手ばかりではない。 シャンゼリオン、ドーパント、仮面ライダー、NEVER、砂漠の使徒、テッカマン……。 生命力の強さでは負けないダークザイドを差し置いて、「生命力の強い者を殺せる証明」の対象となった三つの勢力についても気になる。 とにかく、この六十人余りの参加者を一人で消して勝者となるのは難しいし、効率的ではない。 東京都知事としてのカリスマ性を用いて、あらゆる人間を仲間に引き入れ、加頭を倒す。 その方が、生き残って野望を果たすには都合が良い。 そこで、目の前の二人の男女を引き入れようと考えていたが、彼らがそのために利用できるか否かを思うと、無意味な行動なのではないかと思っていた。 たとえば、彼らが「ガイアメモリ」を所持していたら……? 何らかの戦闘でまだ彼らにも使い道ができる。 黒岩はやはり東京都知事としての信用を落とさないためにも、極力ブラックアウトを避けたいと思っていたのだ。 (奴らを仲間に引き入れるか、どうするか……) そして黒岩が出した結論は────── 【1日目/未明 E-4 森】 【石堀光彦@ウルトラマンネクサス】 [状態]:健康 [装備]:Kar98k(korrosion弾8/8)@仮面ライダーSPIRITS [道具]:支給品一式、メモレイサー@ウルトラマンネクサス、110のシャンプー@らんま1/2 [思考] 基本:今は「石堀光彦」として行動する 1:周囲を利用し、加頭を倒し元の世界に戻る 2:今、凪に死なれると計画が狂う…… 3:表面上はつぼみを保護 4:孤門、凪、つぼみの仲間を捜す 5:都合の悪い記憶はメモレイサーで消去する 6:加頭の「願いを叶える」という言葉が信用できるとわかった場合は…… [備考] ※参戦時期は姫矢編の後半ごろ。 ※今の彼にダークザギへの変身能力があるかは不明です(原作ではネクサスの光を変換する必要があります)。 ※ハトプリ勢の名前を聞きましたが、ダークプリキュアの名前は知りません。 【花咲つぼみ@ハートキャッチプリキュア!】 [状態]:健康、加頭に怒りと恐怖 [装備]:プリキュアの種&ココロパフューム [道具]:支給品一式、鯖(@超光戦士シャンゼリオン?) [思考] 基本:殺し合いはさせない! 1:仲間を捜す 2:石堀と一緒に行動する [備考] ※参戦時期は本編後半(ゆりが仲間になった後)。 ※溝呂木眞也の名前を聞きましたが、悪人であることは聞いていません。 【黒岩省吾@超光戦士シャンゼリオン】 [状態]:健康 [装備]:不明 [道具]:支給品一式、ランダム支給品1~3 [思考] 基本:周囲を利用して加頭を倒す 0:目の前の二人を仲間にするか……? 1:あくまで東京都知事として紳士的に行動する 2:涼村暁との決着をつける 3:人間でもダークザイドでもない存在を警戒 [備考] ※参戦時期は東京都知事になってから東京国皇帝となるまでのどこか。 ※NEVER、砂漠の使徒、テッカマンはダークザイドと同等又はそれ以上の生命力の持主と推測しています。 時系列順で読む Back 人造人間と格闘娘と寿司屋Next ゲゲル ゾ ザジレス 投下順で読む Back 人造人間と格闘娘と寿司屋Next ゲゲル ゾ ザジレス 石堀光彦 Next 血染めのライダーパンチ 花咲つぼみ Next 血染めのライダーパンチ 黒岩省吾 Next 野望のさらにその先へ
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【種別】小ネタ アンシェル・・・エリザベータ、老婆、写真に写ってる女性、リクに擬態したディーヴァ ディーヴァ・・・リク、アナスタシア、エヴァ・ブラウン グレゴリー・・・ソーニャ カール ・・・ファントム(変装) ソロモン ・・・廃人(変貌) ジェイムズ・・・狂人(変貌) ネイサン・・・記者(変装) コメント てかディーヴァはシュバリエじゃないじゃん。。。 -- カールから下は変身といえるのか・・・?あとネイサンは変装じゃなくて転職だと思う。 -- アンシェルは女性ばかり・・・。おいおい! -- ソロモンはあんなになっても素敵 -- 変態ぞろいで最高。 -- 変態ぞろいがシュバリエの魅力です -- 名前 コメント
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切札 ◆gry038wOvE 「しゃらくせええええええええええええええっっ!!!!」 生存者のうち、こんな声をあげる人間が血祭ドウコクを除いて他にいるだろうか。 お察しの通り、この声の主はドウコクである。 第五回放送とともに、こうして怒りの声をあげているわけだ。ここが何もない部屋だったがゆえに何もなかったが、もし箪笥や家具が置いてあれば、それを蹴散らして発散するだろう。傍若無人が彼の本質である。 残り人数を十人に減らせという指示──この騒動の冒頭には、そんなわかりやすい理由があった。 即ち、彼も沖一也と左翔太郎を抹殺する方針に切り替わったという事だ。 「ま、待てドウコク……!! マンプクの口車に乗せられてどうする!?」 「わぁってるが、帰ってから奴を捜して殺すのも手っ取り早ぇじゃねえか!!」 剣を振り上げようとするドウコクに、とにかく必死で一也が止めようとする。 もはや脊髄反射的に殺戮に走ろうとするドウコクをなだめるのは大変だ。 ただ、何とかこれも説得できる方法は転がっている。 「捜すと言っても、おそらく奴はお前の知らない世界に逃げてしまうぞ! 二度とお前の前に姿を現さないかもしれない!」 「あぁ? 俺の知らねえ世界だと……?」 ドウコクがそれを聞いて、少し黙り、ぴたりと動きを止めた。 そんなレベルの話さえ殆ど知らないのだろうか。異郷の存在は知っているかもしれないが、それが人と妖との二世界に渡る程度の話しか知らないのかもしれない。 これが説得の為の材料となりそうな事は間違いない。 「ああ、俺たちはそれぞれ別の世界から来ている。お前も未知の力を持つ敵と会った事もあるだろう? 主催側は、その世界を相互的に渡り歩く能力も持っているはずだ」 まあ、単独行動を続けていた彼がそんな事知らないのは計算済みだ。情報差が彼を利用するのに都合が良い。 とにかく、その言葉で黙ったからには、説得の余地がある可能性は非常に高い。 「だが、どっちにしろ俺は元の世界って奴に帰らなきゃならねえしな。こんな場所にいつまでもいるわけには──」 ドウコクの反論前に、より手っ取り早い手段というのを見つけ出しかけている。 総大将血祭ドウコクは元の世界に必要な存在だ。もしいなければ、外道衆の没落もあり得る。シンケンジャーもいないが、ドウコクもいない。 アヤカシも大分死んだうえに、シタリが元の世界に残されている現状では、マンプクを殺すのも一つだが、何より帰らなければならないだろう。 「帰る方法だって、俺たちが残り六時間で見つけ出せば問題はない。方法はある」 しかし、それでも一也は反論の余地を見つけた。 ドウコクの情報不足を利用するのである。ハッタリでも何でも、その場をしのぐために使える方便は全て使う。 マンプク殺しよりも帰還を優先するのが大局であると、彼も理性でわかり始めているだろうが、 「この島の外の様子を見せよう」 一也が先ほどから様子を見ていたバットショットの映像も、だんだんと海以外の物が映り始めていたのである。先ほど、スタッグフォンを見ておいたのだ。 そこには、一也も安心感で胸をなでおろすような映像が残っていた。 別の島の外観だ。 海岸線の向こうに、もう一つ別の島があるのが見え始めていた。確かに、外には考察通り、別の島が存在したという事である。ただ、それが目の錯覚である可能性も否めない。何せ、距離が離れるにつれ画質がだんだんと低くなっているのである。 だが、仮に錯覚であるとしても、ハッタリの材料としては使える。 その映像を見せるべく、彼はスタッグフォンを手に取った。 「うん……?」 ……見ると、不在着信三件とメールが二通、入っていた。ショドウフォンからだ。つまり、孤門一輝たちのチームである。 不在着信のうち一件だけは、特殊i-podから。これはつぼみたちからだろう。 少しメールを開いてみたが、そこには桃園ラブから沖一也と左翔太郎を心配する内容のメールが入っていた。すぐにでも返してやりたいが、それはもう少し時間に余裕ができてからにしよう。 まあ、今は、動画の方をドウコクに見せておこう。 「ドウコク、君に見てほしいのはこの映像だ。映像はさっきまでは海ばかり映していたが、今は別の島が映り始めている。もう間もなく島に着くはずだ。主催者の基地があるかもしれない」 「……てめえら随分凄ぇもん持っていやがるじゃねえか。俺たちがいねえ間に随分技術をつけやがったもんだ。前までは箱の中で活動を見るのが精いっぱいだったってえのに」 ドウコクが興味津々にそれを見ていた。 小さい箱の中にチカチカと物が映っている程度の認識しかないのかもしれない。 ドウコクの興味が明らかにこの携帯電話に向いていて、映像がどんな意味を成しているのか理解していなさそうなのが辛い。 (こ、こいつ、この殺し合い内だけでなく、人間社会に対しても随分情報が遅れている……! くっ、外道衆の技術を最先端まで発展させたくなってきた……いかんいかん!) 宇宙進出まで果たしている科学者ゆえの葛藤が内心で目覚める。彼らの技術を発展させても人間側が不利になるだけであるが、それでも思わず彼らの科学水準の発展を願ってしまうのが一也である。 「と、とにかく、この映像の通り、外には脱出のアテがあるんだ。まずはお前の首輪を解除する。それからは、せめてあと五時間、待ってくれ。五時間後までに解決できなければ、俺を殺してもらっても構わない」 とは言うものの、内心ではあと六時間の内に脱出できるかというと微妙なのが現状だった。こちらの準備が整うまでには随分時間がかかったし、あとの五時間をバットショットの映像でどうにか判断しなければならないのだ。 おそらくは、残り五時間で全て果たすのは無理である。──五時間後に起こるのは、ドウコクとの戦闘だ。 もっと時間をかけて色々と行えれば良いのだが、タイムリミットが設けられた挙句、こうしてドウコクが近寄ってきてしまっては、それから先の行動も難しい。 主催側は随分厄介な事をしてくれたものである。 六時間以内に十人に減らせ、というのは、ただの額面通りな主催の敗北宣言ではなさそうだ。 何せ、この六時間で十人まで減らすとなれば、不和が生まれるのは間違いない。十四人の殆どが味方である最中、生贄を四人ほど、誰かが薦めなければならないわけだ。 この場合、生き残れる確率の方が高い事が、この場合の問題点だ。 なまじ生き残る希望が高い分、そこに縋りたい気持ちが強くなる。自分は十指に入るだろうという期待と、そこから切り捨てられる四人になる不安がせめぎ合うだろう。これが残り一人になるまで……というなら、何故か諦めもつくのだが、ここまでの苦労を清算する機会があれば、犠牲になろうなどとは思いたくないに違いない。 犠牲になる側も、そんな数少ない犠牲の側にはなりたくないと思うのが心理である。 ……とはいえ、ドウコクのような人間を除けば、これはまだ何とかなる範疇である。今自分がいるのは、危機的状況下でも他者を尊重できる人間は寄り集まっていると自負できる集団だ。 主催側の評価としては、最後のチャンスとして演出する意味も深いという点も一点だ。 このまま十一名以上生き残れば、この孤島──いや、この世界に置き去りにされるというが、それが問題なのである。 脱出ルートを、あくまで主催側への干渉によって果たそうとしていた対主催陣営にとって、確実に必要な存在となるのが、主催陣営だ。こうして、主催陣が殺し合いを諦め、そこにゲームメーカーがいるという前提を崩す事で、「このままでは帰れない」という状況にリアリティを持たせている。 そして、無人の世界にたかだか十数名で放置されれば、大した時間を要さずに死なせてしまう。元の世界に帰りたいのが全員の本心だろうから、それも崩れてしまうわけだ。 これも、なるべくならば主催逃亡後も全力を尽くして脱出計画を練るだろうが、今はそうもいかない。ドウコクはそう気が長い生物ではなさそうだ。 「……」 とにかく、残り六時間で一也たちにできるのは、「希望を捨てずにベストを尽くす」という事だけであった。 一也は己の鼓動が早まっていくのを感じた。 ドウコクは短気である。五時間は長いと取るか、短いと取るかは彼にとってどうなのか──返答を待つ時間が妙に長く感じられた。 「……まあいいだろう。どっちにしろ、五時間もあればてめぇらも手がかりを得る」 ドウコクが迷った挙句に剣を鞘に収める事になり、一也は内心ほっと溜息をついた。 どうやら、説得自体は上手に終了したらしい。悪い言い方をすれば、上手く騙せたというところだろう。 幸いにも、ドウコクはこちらの技術の底を知らなかった。どの程度が一也たちの技術で可能な範疇なのかを理解していないのだ。その為、六時間以内の脱出がほぼ不可能である事など彼は知る由もない。 一也が、自分たちの技術の限界を悟り始めていようとも、せめてそれを表情に出さなければドウコクは騙せる。 上手い具合に持って行けたとは言い難いが、それでも五時間の猶予が得られた。 今のところは、それで充分だ。 「……ふぅ。それじゃあ、ドウコク、首輪を解除するからおとなしくしてくれ。解除は五分で済む」 「五分だと!? まさか、あいつら、そんなチンケな物で俺を縛ってやがったのか!」 「ああ、腹立たしい事かもしれないが、今は落ち着いてくれ。落ち着かない事には首輪も解除できない」 元々、ドウコクの期待は主催と参加者のどちらにも向いていないはずだ。 面と向かって対話できる方に信頼のバランスが寄るのは至極当然の事である。 それこそ、ちょっとした説得でも口説けるほどだ。 (……さて、この仕事を終えたら) 一也は、翔太郎の方をちらと見た。 彼は、まったく、脱出にもドウコクにも一切興味がなさそうだった。 一也も、そんな彼を温かく見守ろうとは全く思わなかった。 ただ、ドウコクが首輪を解除した後が彼に発破をかける時だ。 一也は、素早くメールでショドウフォンに『心配ない。バットショットが周囲の様子を映し始めたから、一端、目を通してくれ』という内容のメールを送り、ドウコクの方に工具を持って行った。 ◇ さて、ドウコクの首輪の解除には、やはり全くといっていいほど、時間はかからなかった。 ドウコクとて、本当に五分もしないうちに自分の首を縛っていた鉄の輪が解除されるとは思いもよらなかっただろう。 なるほど、ここまで随分と長い間、この首を縛っていてくれたが、どうやらその事も含め、すべて茶番の材料だったらしい。──そう思うとドウコクの胸にも苛立ちが湧いて来る。 マンプクの首を頭に描きながら、彼はともかく口を開いた。 「……チッ。とにかく首輪が解除された所で────」 一也が身構える。 この瞬間が恐ろしいのだ。 ドウコクにとって、首輪が解除された後の一也たちは邪魔だと判断されまいか、その一点。 邪魔者は勿論、殺される事になるだろうと思い、緊張の一時が流れる。 「────酒でも飲むか」 と、思ったが、案外ドウコクは聞き分けが良いタイプの怪物であるようだ。 少なくとも、今ここで一也たちを殺す事には意味を感じていないと判断していい。 あとの五時間の猶予は確実に保証されているものらしい。 外道シンケンレッドが、一升瓶をドウコクに向けて手渡しており、まさしく彼の方は酒宴の気分のようだった。 今の彼にとって必要なのは、口にアルコールの苦味や辛味を広げさせる事なのである。その摂取によって、一也や翔太郎たちと慣れ合うストレスを発散し、しばらくマンプクを殺せる万能感に酔い浸るのが目的らしい。 まあ、実際のところ、ドウコクの実力ならばマンプクなど取るに足らない相手であるが、現状、相手が積極的に姿を現さないゆえに怒りが溜まっているようだ。 アルコールは正常な判断を鈍らせるので、一也たちの目からしても安全とまでは行かない。こんな状況下で他人に飲ませないのが最良の判断である。 だが、あのまま酒を飲むのを妨害させると、それこそこちらに危害を加えかねない厄介さだ。まあ、ある程度酔いに強い体質である事を祈ろう。 ドウコクには背を向けた。その背に切り傷の残る事はなかった。 「さて、ドウコクの首輪の解除は終わったな」 一也は、何か言いたげに翔太郎の方へと歩いて行ったのだった。 その様子に気づいたようで、翔太郎は顔を上げた。虚ろなまなざしで一也を見上げる。 しかし、一也の眼は、そんな翔太郎の心に突き刺さるほど鋭く、先ほどドウコクと対峙していた時よりも数段、「敵に相対する目」に近い眼光であると感じた。 まさしく、心眼でその危険性を翔太郎は感じたのである。 「翔太郎くん」 「……っ!」 思わず、一言呼ばれるだけで翔太郎が目を逸らす。 まるで、これから熊でも倒そうと言う格闘家の気概。それが翔太郎の精神になだれ込む。 格闘家、ゆえの眼力であった。翔太郎の弱さを責め立てる意思があるのは確かだ。だからこそ、翔太郎は更なる弱さでそれを覆い隠そうとする。 「……放っといてくれ! ……もう俺は仮面ライダーじゃない!」 仮面ライダーである事。──それが、左翔太郎の誇りであった。 街をドーパントから守って来たのは、フィリップがいて、仮面ライダーダブルにもなれたからこそだ。 だが、今この腕で何が救える? この場所でこれ以上、翔太郎に何ができるというのか。それを思えば、その誇りが打ち砕かれるのも当然であった。この先、戦うイメージが湧かず、苦難の道が脳裏をよぎる。 「仮面ライダーでなくなったくらいで戦う意志を失うならば、お前は最初から仮面ライダーじゃないッ!!」 だが、そんな翔太郎の耳に、あまりにも大きすぎる声が鳴り響いた。 ドウコクも、酒を飲もうとしていた体を止める。 気迫は誰にも負けない。──赤心少林拳の使い手たるこの男である。 翔太郎は、それでも反論をするくらいの怒りがあった。勇気ではなく、苛立ちが咄嗟に弁解の余地を作る。 「ッ! そんな事言ったって……俺にはフィリップも、この腕もないんだ! 仮面ライダーじゃなくなっただけじゃない! 人間として戦う事だって、もう……!」 語尾が下がっていた。明らかに、一言を口に出すのを躊躇う彼であった。 彼らしくはなかったが、自分らしくないと自覚しているからこそ、実際の現状を口に出す時に偉く弱気だったのだろう。 自分の状況を考えるならば、仮面ライダーとして戦う事に既に限界があるのは容易にわかる話だ。 「沖、放っておけ、そいつにはもう、何もねぇ。このシンケンレッドと同じだ。……まあ、せいぜい、そいつがいなくなりゃあ残り十人に近づくだけ、って所か? 同情が欲しいなら、少しはしてやるぜ」 一也の背中でドウコクが言うが、彼はそんな言葉を聞き入れる気がなかった。 ドウコクの言う事は、かなり尤もであるとも一也は思っているが、同時にこうして喝を入れれば立ち直る可能性を、一也は信じていた。 あくまで、一也はこの左翔太郎なる男を、まだよくは知らない。 ただの軟弱な普通の青年かもしれなければ、底が深い人間かもしれない。それはまだわからないが、これまでこの男が仮面ライダーとして戦ってきた事だけが明瞭たる事実として一也に何かを残している。 その経緯、その戦いの記録は一也も小耳に挟んでいた。 「……いや、左翔太郎は何も持っていないわけじゃない。師に憧れ、仲間を重んじ、仮面ライダーとして戦う為の魂を持っていたはずだ」 「……」 「お前はまだ戦える。俺はお前を再び、仮面ライダーとして戦わせる事だってできる。こいつを見てくれ」 翔太郎の視界に、一也は自分の持つ切り札を見せた。 翔太郎の瞳孔が広がる。 まさしく、そこには「右腕」と呼ぶべきモノと、翔太郎自身もよく知っている「ロストドライバー」というベルトとメモリが在った。 それは、まさしく、この翔太郎が必要としている物たちであった。 「沖さん……っ! こいつは────」 「知っているだろう。いくつものカセットアームを搭載した、結城丈二の右腕。そして、これが石堀光彦がお前の為に俺に手渡した新しい変身ベルト・ロストドライバー、俺が見つけたT2ファングメモリだ」 まるで、少し息を吹き返した人間のように、翔太郎は羨望に近い眼差しでそれを見た。 彼の男が、再び仮面ライダージョーカーとして戦う準備はある。翔太郎もジョーカーメモリを残しており、まさにその姿へと再誕する為にはおあつらえ向きであった。 全てが揃っていた。翔太郎は、それを見て思わず、無いはずの右腕を伸ばした。 「こいつがあれば……」 だが、一方で迷いもあった。右腕でそれを掴む事などできるはずないのに右腕を伸ばしたのは、おそらくその迷いが原因だろう。──左腕で、確実にそれを掴んでしまうのは本能的に避けたかったのだ。 こうして戦う道を選べば、再び彼は痛みを受けなければならない。あのガドルのような強敵と戦う事だってあるかもしれない。 ドウコクだってそうだ。彼と戦わなければならない。 恐ろしい。 こうして、守られる側でいる事がどれだけ楽か。──仮面ライダースーパー1のような戦士がいれば、それで充分ではないのか。 そう思ってしまう。積極的に戦ったからこそ、鋼牙やフィリップは死んだ。自分もそうなるかもしれない。守るためには、自分の命さえ犠牲にする覚悟が必須なのだ。今こうしてぬるま湯に使った翔太郎が再びそれを手にするには、少しの抵抗がある──それも、無理のない話であった。 彼は、普通の人生の中で偶然仮面ライダーになったただの人間である。一也とは違った。 「……だが、翔太郎くん。君にこれを、ただ渡すわけにはいかない。この右腕は、俺が尊敬した一人の戦士の物なんだ。……それに、この右腕を君の腕に移植するには、君の腕を丁度良い長さまで削り取る必要がある。神経を繋ぐ作業も、普通の人では耐えられないほどの地獄の痛みが伴うだろう。作業も俺が手探りで行うから、痛みがどれだけ長引くかもわからない。それを全て麻酔なしで行わなければならない」 少しばかり優しい声色になった一也の説明を聞いたところでは、それはまさしく、移植だけでもこれまでの戦い以上の地獄が待ち受ける道であるように思えた。 聞くだけで嫌になりそうな話だった。 だんだんと、アタッチメントによって再び仮面ライダーになる幻想が遠ざかっていく。その為に必要な覚悟は、並大抵の物ではないのだろう。腕があるからといって、都合よく、何のリスクもなくそれを義手として使えるわけではないのだ。 翔太郎の中で膨れ上がる恐怖は、それだけにはとどまらない。 「仮面ライダーに戻った後も覚悟が必要だ。君はまた、茨の道に飛び込む事になる」 再び、フィリップたちの事を思い出した。 彼らは戦いの中に消えていった。彼らが普通の人間ならばどうだろう。 元々、こうして殺し合いに巻き込まれる事もなかったのだろうか。 ……そう、この殺し合いに巻き込まれた人間は、大半がそうした特殊な能力を持っていた。 改造人間、ガイアメモリ、魔法、クリスタルパワー、ラダム、モヂカラ、ウルトラマン、魔戒騎士──あらゆる理由で変身ができる戦士たち。それが今回のターゲットだったのだ。 再び、仮面ライダーとなれば、己や周囲の人間が傷つく可能性も否めない。 帰った後も、待ち受けるのは地獄の戦いの日々だ。その苦痛を受けながら、毎日生きられるだろうか。──翔太郎の中には、不安が広がっていた。 「……まあ、そうすぐには決心がつかないか。だが、悪いがこちらにも時間はない。ならば、こちらで手っ取り早く試させてもらおう」 翔太郎もしばらく黙り込んでいたのだろうか。反射的に言葉を返せるほど、覚悟する行為は簡単ではなかった。 しかし、時間が経るごとに、その「意思」なる物は弱まっていく。 考える事もまた、時折、その人間が本来答えるべき「覚悟」を鈍らせ、殺してしまう一つの要因たりえるのだ。ゆえに、一也は待たなかった。考える時間を与えるくらいならば、いっそ、自分の手で彼を見極めようと、彼は構えた。 「変───身!!」 梅花の構え、そして仮面ライダースーパー1への変身。 敵にさえも美しいと評された、惑星開発用改造人間成功作の銀色のフォルムが輝く。 電子音が鳴り、一也の全身に力が廻る。 その異形に表情はなく、それが今回、無機質な非人間を象っていた。 ドウコクが睨んだ。 「オイ、何のつもりだ?」 「御免!」 スーパー1は、銀色の腕のまま、窓を叩き割った。この程度、パワーハンドを使うほどでもない。高く嫌な音が鳴り、窓が砕け、外の庭に散らばる。窓辺の細やかな風が部屋の中に入って来た。 翔太郎もドウコクも、脊髄反射的に彼のその一瞬の行動に、驚愕する。 この男、何をしようというのか。 「草花、木々……この庭にある全ての物を今から焼き尽くす。覚悟ある者ならば、この花たちの為にさえ、その命をかけられるはずだ」 そう、翔太郎が振り向けば、外には、綺麗に庭を彩る細やかな園芸があった。──誰かが丁寧に育てた庭の植物たちであった。 芝も誰も必要以上に首を伸ばさず整えられ、刺々しい松の葉や可愛らしい花々が風に揺れていた。 その外の空間へと、スーパー1はゆっくりと歩いて出て行った。翔太郎の顔の横を、冷徹無比なマシンが焼き尽くそうとする。 いくら翔太郎の為とはいえ、仮面ライダーがこうして、細やかな命を奪おうとして良いのか──。 やめてくれ。 俺の為に、そんな事──。命を奪うような事は──。 「チェンジ! 冷熱ハンド!」 そう言って突き出した緑のファイブハンドは、炎を空に向けて吐き出した。 彼は、今この男は本気であった。まさしく心を鬼にして、全てを業火に包む気概を持っていた。 ──その一瞬だけでもわかる。誰が止められようはずもない。 冷熱ハンドの超高温火炎が人間の命を、悲鳴もあげぬ間に殺せる威力を誇っている事は言うまでもないはずだ。 灼熱の地獄。人の体など一瞬で焼いてしまう事は想像に難くない。 「まずは、あの花からだ……!」 スーパー1が目を向けた先には、小さなコスモス花が、ただ一つ、はぐれて咲いていた。 きちんと整えられたこの名家の庭園の中で、ただ一つそこに花があるのは全く不自然な話だろう。しかし、ここを整備する者たちが、偶然、はぐれてそこに咲いていたそれを排除するのを嫌ったに違いない。 どこから種が運ばれたのかはわからないが、美しく生きる一輪の花が自ずと生えた事に感服し、気づかぬふりをしたのだろう。 そんなドラマさえも想像できる、一輪の花。しかし、勿論焼かれればその命も尽き、今発しているような無用の美しさも醜く崩れ落ちる。 それでも、スーパー1はやり遂げねばならなかった。 「すまない……! この試験の為に散ってもらう……!」 灼熱の中に飛び込み、花を守る絶対の意思を持つ者などいようものか。 ドウコクは、ばかばかしいと思いながら背を向けた。 仮にもし、立ち向かったとしても、スーパー1に敵うはずがない。 人間の生身でそれができない事くらい、誰でも一瞬にしてわかるはずだ。 「────ッッ!!」 ……しかし、だ。 人間の意思は、ドウコクの期待などを遥かに超える優しさも持ち合わせていた。 ドウコクは、それを過小評価していたのかもしれない。 さわやかな風がドウコクの体にそよがれる中、男の叫びがその間に響き渡ったのである。 「やめろォォォォォォッッ!!」 ──圧倒的戦力さえ無視して、掴みかからずにはいられない“本能”の持ち主が、そこにはいた。たとえ無駄でも、命をかけなければならないと、そう思った男がいた。 男は駆け出し、その花へと迫る悪魔の手を振り払おうとした。 スーパー1は、予期こそしていたが、一瞬にしてその気迫に体を固めた。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおォォッ!!!」 魂は、人を震わせる。 男は、理屈ではなく、魂でそれを守る──困っている者があれば、放っておけない心を持っているだけであった。 街を愛せるにはいられず、街にいる全ての物を守らずにはいられない、そんな男。 「……っつぅッ……!」 ──左翔太郎は、自分でも気づかぬうちに、その左手でスーパー1の顔面にパンチを叩き込んだのであった。右腕から先がなく、スーパー1の腕を振り払う事はできなかった。 しかし、ただ本能が、自分の拳が砕ける危険さえ無視して、スーパー1の顔面へと向かっていってしまった。 自分の左腕に伝う、鉄を殴った感触とともに、この男は正気を取り戻していく。 スーパー1は、変身を解除した。──コスモスの花は、元気に揺れていた。 「──翔太郎くん。やはり、君には確かに、仮面ライダーの魂がある。それを認めよう。しかし、残念だが、その魂や想いだけじゃあ、何も守れない……」 炎がその命を焼き払う前に、翔太郎は前に出たのだ。無力な体で、彼は自分の左拳を見た。 腫れている。痛んでいる。思わず、声をあげている。当然、一也がこのまま花を焼くつもりでいたならば、花の命はなかっただろう。 「その想いと、鉄の体を併せ持つのが仮面ライダーだ」 「ああ」 「鉄の体が必要か?」 「……ああ」 「それならば、お前にくれてやろう」 それが今の翔太郎の中で燻っている想いを解放する術だというのなら、即答できた。このもどかしい想いを抱えたまま生きてはいけないのが、左翔太郎という短期な男なのであった。 一也に言われたような「覚悟」というのは正直言えば、無い。痛みがある改造手術も、過酷な戦いも、仲間を喪うのも嫌だった。 しかし、放っておけないと思う心があるならば、嘘をついてでも有ると答え、改造手術でも何でも受けてやろうと翔太郎は思ったのだった。──何かを守りたい気持ちならば、まだ胸の中に在る。 ◇ 志葉屋敷の一室。 無菌室などあるはずもなかった。ただドウコクと外道シンケンレッドがいなければ少しは埃が立つ可能性が低くなるから、それで退いてもらった。 麻酔もあるはずがなかった。ただ一口の酒を飲み、少しの酔いが麻酔代わりになれば、それで辛うじて、多少の気休めになる。 消毒も手術道具もあるはずがなかった。機械を解体するための道具と部品だけがアタッチメントと同じにあるだけだった。 刃は、支給品の一つを使い、ただありあわせの物で全て任せる。医者でさえ、ただ多少知識があるだけの、専門分野も異なる科学者だ。 本郷猛や結城丈二はともかく、何故か一文字隼人、風見志郎などの歴戦の改造人間までもが辛うじて持っている謎の能力がこの人体改造である。水産大学に通っていた神敬介も後の世には医者なのだから驚きだ。沖一也がこの謎の医学能力を持っていないはずがないだろう。たぶん。 即ち── 「ぐああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ…………!!!!!!!!!!!!!!!!!」 地獄の苦しみとともに、左翔太郎は、あまりにも粗雑な手術を受ける羽目になっていたのである。一也もこんな酷い環境で改造手術などしたくはなかったが、仕方がない。非人道的と罵られようとも、状況が状況であるため、本当にやむを得ないのだ。 このバトルロワイアル中、おそらく最も無慈悲でグロテスクな解体を行うのが仮面ライダーであり、それを受けるのも仮面ライダーであるとは誰が想像した事だろう。 「うわああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!!!」 散華斑痕刀なる刃が、翔太郎の体をマーカーの通りに切断する。血しぶきというほどではないが、少しだけ血が跳ねた。 一也は、その血を布で拭うと、きわめて冷淡な顔で手術に臨んでいる。心を鬼にして行わなければならない。 一也が翔太郎の悲鳴に申し訳なく思いながらも、力任せにその凶暴な刃を台に向けて押していく。肉が削げ落ち、骨に当たる。骨の周りを削いでいき、その柔らかい部位を翔太郎の体から外していく。 その後、少し出っ張った骨をこの刃でまた削っていかなければならない。 骨を刺激しても充分に痛みは伝う。翔太郎の叫び声はまたも伝う。 「やめろォォォォォォォッ!!!!! うわ、うわあああああああああああああッッッッ!!!!!!!!」 結城と翔太郎は身長も体格もほぼ変わらず、二人ともおおよそ成人男性平均程度で差はない腕の太さだ。長ささえ調整すれば、適合する可能性は高い。アタッチメント自体、元々は結城丈二が装着する予定ではなかった物を流用しているくらいなので、太さに関しては、おおよそ調整が効く。 「さて、次は、神経を繋ぐ。歯を食いしばれ」 しかし、一也は機械的に言うしかなかった。 あまり優しい言葉をかける物ではない。自分自身も集中力を削がないよう、あくまで冷徹な機械として黙々と作業をする。あまり人間の悲鳴を聞きたいとは思わないが、本当に仕方がない事をしなければ仕方がない状況なので仕方がないし、まあとにかく仕方がない事なのだ。決して一也の趣味ではない。 とにかく、発する言葉は、その工程の説明だけだ。自分が今何をされているのかを理解しながらであれば、翔太郎としても次への関心が湧くはずである。それが最低限の話。しかし、それが頭に入っているとは思えなかった。 「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーッッッ…………!!!!!!!!!!!!!!!!!」 たかだか十分が数時間とさえ感じる強烈な痛みに支配されている。翔太郎時間では、とっくに五時間経っていてもおかしくないのではないかという気がしてくる。 しかも進んでいる実感というのが薄く、ピンセットなどで神経と神経を繋げる作業は目で見るだけでも気持ち悪い。痛いという以上に、自分の体に新たなパーツが増えていく気味の悪さが嫌だった。 吐きそうになる感覚を何とか払拭しようとしていた。意識を消し去りたい気持ちも生まれる。しかし、今はこの意識は消せない。 頭の上に汗が溜まるような感覚。天井を見て、天井の向こうに喉の奥から、この痛みを伝えていく。声が枯れ始める。 「ッッッ…………!!!!!!!!!!!!!!!!!」 今日のいずれの戦いにも勝る身体的な痛みだ。それはあるいは、ドウコクに胸骨を折られた時よりも遥かに痛みが激しい。 ガドルに吹っ飛ばされた瞬間の、一瞬の感覚とは桁違いに、──精密な作業は、その一つ一つが長い痛みを伴う。 ただ、フィリップや照井などの仲間たちを喪った心の痛みに比べればずっとマシであり、フェイトやユーノが受けた痛みよりは生ぬるい物であろうと思い、彼は耐えていた。 『それに杏子……お前が魔女になったとしても何も心配はするな…… お前が人々に絶望を振りまき泣かせる前に……俺がお前を殺してやる』 そうだ。────不意に翔太郎は、一つの約束を思い出した。 あの約束を忘れてはならない。 痛みを感じているのは、自分や死んだ人間たちだけじゃない。 (……あいつも……) 抜け殻になった翔太郎を、冷たい瞳で見つめた杏子。 その瞳が不意に翔太郎の脳裏を掠め、一瞬、翔太郎は痛みを忘れた。 杏子がああして怒ったのも無理はない。 翔太郎は、約束さえ忘れて杏子の心を傷つけていた。────これも一つの罪ではないか。 「くっ……!」 神経はまだ繋がれているのだろうか。 翔太郎の腕に、一つ、一つ。コードが繋がれ、翔太郎に新たな腕を取り付けようとする。 これがあれば、また戦える。一人の男の戦いの記録が、今度は翔太郎に繋がっていく。 小指が、少し動いたが、作業中なので叱責された。 ◇ それから、翔太郎の感覚では、とっくに六時間以上の時間が経ったように思えた。 しかし、手術は急を要し、安全や正確さよりもいち早く終える事を目的としていたがゆえ、一時間半という短時間で全てが終わっていた。 時計を見た時は、五時間分ほど人生を得したような気分にもなったが、後々考えてみれば、この手術によって、翔太郎は、五年分ほど健康寿命を擦り減らしただろう。やはり大損である。 油断して右腕を失うなど、もう二度と御免だ。まだ嫌な汗をかいている気分だ。 もしかして、半分、気を失っていたのだろうか。──そういえば、意識はあったような、なかったような、微妙な記憶だ。しかし、手術を終えた時は目を開けていたはずで、ほっと安心した気がする。 それというのも、あまりの痛みに脳が何も考えなくなっていたのかもしれない。五感が贈る全てはリアルな映像として脳内に送られているが、それが何を意味しているのか考えるほどの効力を失っていたのだろう。 「はぁ……はぁ……」 起き上がると、右腕が確かに動いた。 つい数時間ほど前まで、自分の腕を動かしていたはずだったが、こうして動かしてみると、少し動きが硬く、違和感があった。 アタッチメントというのは、そういう物なのかもしれない。 「──成功だ、翔太郎くん。よく頑張った」 と、こちらに向ける一也の笑顔が、怖すぎて、翔太郎はひきつった笑いを返した。 この人は優しく微笑んでいるが、翔太郎としては一也の存在そのものがトラウマである。 ここまでのスパルタ教育が原因で、翔太郎としては苦手意識が芽生えてしまう相手だ。 翔太郎は震えた声で言う。 「……あ、ああ。そうみたいだな」 「これがロストドライバーだ。使い方は君の方がよく知っているね?」 「……」 翔太郎は、新たな腕でロストドライバーを掴んだ。その瞬間、一也に対する恐怖などという物は吹き飛んだ。 ロストドライバーの重量は、思ったよりも幾分か軽い。 『よう、その様子だと、守りし者っていうのが本当にわかったみたいだな、翔太郎』 「あんたは……」 ザルバが再び口を開いた事に翔太郎は気づいた。 この魔導輪は、口うるさいが拗ねやすく、基本的には自分が認めた者としか言葉を交わさない。精神の弱い者には語り掛ける事さえない……などという場合もある。 そんな彼が、一度見捨て、口を閉ざしたザルバだったが、今再び口を開いたようだ。 『俺様にも見せてくれよ、あんたの変身とやらを』 「……言われなくてもな」 軽量のロストドライバーを手にすると、そのまま翔太郎は腰にそれを据えた。 ザルバに何も言われずとも、そういう展開になるのはわかっていた。 ≪僕の好きだった街をよろしく。仮面ライダー、左翔太郎≫ あの時と同じ。 ハーフボイルドだった翔太郎が、一人の仮面ライダーとして戦わねばならない時が来た。 そうだ、あの時の事を思い出す。 フィリップがいなくても自分だけで戦おうと決意した、あの時の事を──。 「ふ……まさか、また俺だけで、コイツの世話になる時が来るなんてな」 コネクションベルトリングが翔太郎の腰を巻き、ロストドライバーが装着される。 これは、翔太郎が独り立ちしようと、せめて心の中だけではそう決意した証なのだ。 翔太郎は、ジョーカーメモリを懐から取り出した。 ≪帽子の似合う男になれ……≫ スカル、エターナル、アクセル、あらゆる風都の仮面ライダーたちが、それぞれと惹きあったメモリを使って変身してきた。 翔太郎と最も引き合うメモリは何か。 JOKERのメモリである。これが彼に最も似合う帽子。 ──JOKER!!── サウンドが鳴るとともに、翔太郎はそれをロストドライバーにはめ込んだ。 スロットの奥にジョーカーメモリが装填される。 電子音が鳴ると、彼はその音の心地よささえ感じてしまうのだった。 地球のコアと全く同じ、その声が、翔太郎の中にある切り札の記憶を刺激する。 「見ててくれ、沖さん、結城さん、照井、フィリップ、おやっさん、それに杏子……仮面ライダーのみんなに風都のみんな、ガイアセイバーズのみんな。これが、俺の切り札だ……!」 翔太郎にとって、切り札は常に自分の元に来るものであった。 ガドルの攻撃を受けても、このジョーカーメモリは破壊されず、翔太郎の手元に残り続けた。 ここまで死守してきたガイアメモリである。 このガイアメモリがある限り、翔太郎は絶えず、仮面ライダーとしての力も発揮できる。 「────変身!」 ──その叫びと共に、左翔太郎は、黒き仮面ライダージョーカーへと変身した。 右腕には、アタッチメントを装着するスロットが残っている。ジョーカーでありながら、ライダーマンのようにアームまで変えられる、新たな戦士の誕生であった。 ◇ ……と、ここまではカッコいい仮面ライダージョーカーであるが、その初仕事は汚れ仕事も良い所であった。 志葉屋敷の一室で、外道シンケンレッドとともに血祭ドウコクを起こすのが今の彼の務めであった。というのも、この血祭ドウコク、疲労状態に重ねて酒を摂取したばかりに、もはや泥酔状態で眠りこけているのだ。 暴れると危険な彼である。一也は一也で後片付けに忙しいので、翠屋に向かわせるのは翔太郎の仕事になる。 「起きろ、ドウコク……おい」 「うるせええええええええええっっ!!」 「お前の方がうるせえっ!! ……あー、まったく、だから酔っ払いは厭なんだよ……」 大暴れしかねないドウコクを、何とか外道シンケンレッドと引っ張って、これから翠屋に向かい、すぐに冴島邸までワープしなければならない。 こちらも先が思いやられる状況だ。 ドウコクに受けた痛みは忘れないが、それでも今は協力するしかない。 もう少し自分勝手でない男だったならば、どれほどいいか……。 (待ってろ、杏子。もうお前を失望させたりなんかしねぇ。いや、誰かに失望されたまま、俺は終われねぇよ) ドウコクをやっとこさ促して、立たせるまでに成功する。 足元がおぼつかない様子であった。とにかく、物理攻撃をしかけるほど暴れまわらないのが不幸中の幸いだろうか。 (いずれ、コイツとの決着を一緒につけようぜ。俺もすぐに行くからよ) 酔っ払いの相手などという汚れ仕事がジョーカーのここでの初仕事とは思わなかった。まるで警察官のようである。 しかし、だからこそ、その仕事は妙に風都の仮面ライダーらしかった。 再び街を守れる力を手に入れた喜び。 それを背負っているようであった。 ◇ こちらは沖一也である。 とにかく、手術が無事成功したからには、他のグループにも報告をしなければならなかった。ホウレンソウはチームでも重要な事で、それを行う術があるのに行わないわけにはいかない。 たとえ、隠したい事情があるとしても、持っている情報は全て包み隠さず公表するべきだと思う。 幸いにも、一也の方からは不幸な連絡はない。 「ああ、こっちの手術は成功した。……ああ、それで、そっちはどうなっている?」 電話は、石堀、暁、ヴィヴィオのチームに発信されたものだ。 翔太郎は、既にこの場を去り、ドウコクを呼びに行っていた。手術が終わった以上、手際よく冴島邸に向かう準備をしなければならないのだ。 「どうした? 何故、黙っている? 超光騎士はどうしたんだ?」 考えてみれば、超光騎士はもうとっくに回収されていてもおかしくない頃合いだ。 何せ、一時間以上も時間が経過しているのである。ここまで時間がかかっているとなれば、それこそ何かトラブルがあったとしか考えられない。 電流を流す作業によほどの精密性が必要なのか、それとも超光騎士が全く起動しないのか、戦闘に巻き込まれたのか……。 と思ったが、実際のところ違うらしく、一也の表情は変わった。 「問題?」 思わず、向こうの言葉に対して訊き返す。 何か不穏な空気と予感がしたのであった。 「何!? ヴィヴィオちゃんが攫われた!? 一体どういう事だ!! どういう状況になっているんだ!?」 一也は、思わず向こうの連絡に仰天しそうになった。 ヴィヴィオが攫われた──というあまりにも酷すぎる事実が一也に突き付けられたのである。どうしてそんな状況になったのかはわからない。 しかも、こちらの想いとは裏腹に、向こうが明らかに自分たちの不手際を隠す気満々だった事に一也は内心ショックを受ける。 「……そうか、わかった。また後で連絡する」 とにかく、今は落ち着き、一也は連絡を切った。 時間がない中でトラブルが立て続き、内心では苛立ちもあるが、起きてしまった事に対して怒りを露わにしても仕方がない。 (バットショットはどうなっている……?) 一也は、ふとバットショットの事を思い出して画面を動画に切り替えた。 これを見るのも大事な仕事ではないか。 バットショットからリアルタイムで送られてくる動画の方も、先ほどの手術のせいでしばらく見られなかった。 暁たちがあの状況では、バットショットの映像を注視するのは一也たちの仕事になるだろう。今、一番することが少なく、何より主催側に対する考察を行わなければならないのは彼らだ。 「……なっ!!!!!!!!!」 不意にバットショットの画面に切り替えた一也だが、彼は思わずその画面を見て声をあげた。この状況で、まさかこんな事に……。 (隠さなければならない情報か……) 一也は理解する。 なるほど、それも時には必要だ。 これは、少なくとも、ドウコクにだけは悟られてはならない。 いや、その為には、他の誰にもなるべく知られないようにしなければならないだろう。 そこに映っていたのは──── 【2日目 朝】 【B-2 志葉屋敷】 【沖一也@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、強い決意、首輪解除 [装備]:なし [道具]:支給品一式(食料と水を少し消費)、ランダム支給品0~2、ガイアメモリに関するポスター、お菓子・薬・飲み物少々、D-BOY FILE@宇宙の騎士テッカマンブレード、杏子の書置き(握りつぶされてます) 、祈里の首輪の残骸 [思考] 基本:殺し合いを防ぎ、加頭を倒す 0:なんて事だ……なんて事だ…… 1:本郷猛の遺志を継いで、仮面ライダーとして人類を護る。 2:仮面ライダーZXか…。 [備考] ※参戦時期は第1部最終話(3巻終了後)終了直後です。 ※一文字からBADANや村雨についての説明を簡単に聞きました ※参加者の時間軸が異なる可能性があることに気付きました ※18時に市街地で一文字と合流する話になっています。 ※ノーザが死んだ理由は本郷猛と相打ちになったかアクマロが裏切ったか、そのどちらかの可能性を推測しています。 ※第二回放送のニードルのなぞなぞを解きました。そのため、警察署が危険であることを理解しています。 ※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。 ※ダークプリキュアは仮面ライダーエターナルと会っていると思っています。 ※第三回放送指定の制限解除を受けました。彼の制限はレーダーハンドの使用と、パワーハンドの威力向上です。 ※魔女の正体について、「ソウルジェムに秘められた魔法少女のエネルギーから発生した怪物」と杏子から伝えられています。魔法少女自身が魔女になるという事は一切知りません。 【左翔太郎@仮面ライダーW】 [状態]:疲労(極大)、ダメージ(大)、胸骨を骨折(身体を折り曲げると痛みます・応急処置済)、上半身に無数の痣(応急処置済)、照井と霧彦の死に対する悲しみと怒り、首輪解除、フィリップの死に対する放心状態と精神的ダメージ、切断された右腕に結城のアタッチメント移植、仮面ライダージョーカーに変身中 [装備]:カセットアーム&カセットアーム用アタッチメント六本+予備アタッチメント(パワーアーム、マシンガンアーム+硬化ムース弾、ロープアーム、オペレーションアーム、ドリルアーム、ネットアーム/カマアーム、スウィングアーム、オクトパスアーム、チェーンアーム、スモークアーム、カッターアーム、コントロールアーム、ファイヤーアーム、フリーザー・ショット・アーム) 、ロストドライバー@仮面ライダーW、ダブルドライバー(破壊)@仮面ライダーW、T2ガイアメモリ(サイクロン、アイスエイジ、支給品外ファング)@仮面ライダーW、犬捕獲用の拳銃@超光戦士シャンゼリオン、散華斑痕刀@侍戦隊シンケンジャー、魔導輪ザルバ@牙狼、スモークグレネード@現実×2、トライアクセラー@仮面ライダークウガ、京水のムチ@仮面ライダーW [道具]:支給品一式×11(翔太郎、スバル、ティアナ、井坂(食料残2/3)、アクマロ、流ノ介、なのは、本郷、まどか、鋼牙、)、ガイアメモリ(ジョーカー、メタル、トリガー、サイクロン、ルナ、ヒート)、ナスカメモリ(レベル3まで進化、使用自体は可能(但し必ずしも3に到達するわけではない))@仮面ライダーW、ガイアドライバー(フィルター機能破損、使用には問題なし) 、少々のお菓子、デンデンセンサー@仮面ライダーW、支給品外T2ガイアメモリ(ロケット、ユニコーン、アクセル、クイーン)、ふうとくんキーホルダー@仮面ライダーW、霧彦のスカーフ@仮面ライダーW、須藤兄妹の絵@仮面ライダーW、霧彦の書置き、スタッグフォン+スタッグメモリ(通信機能回復)@仮面ライダーW、スパイダーショック+スパイダーメモリ@仮面ライダーW、まねきねこ@侍戦隊シンケンジャー、evil tail@仮面ライダーW、エクストリームメモリ(破壊)@仮面ライダーW、ファングメモリ(破壊)@仮面ライダーW、首輪のパーツ(カバーや制限装置、各コードなど(パンスト、三影、冴子、結城、零、翔太郎、フィリップ、つぼみ、良牙、鋼牙、孤門、美希、ヴィヴィオ、杏子、姫矢))、首輪の構造を描いたA4用紙数枚(一部の結城の考察が書いてあるかもしれません)、東せつなのタロットカード(「正義」、「塔」、「太陽」、「月」、「皇帝」、「審判」を除く)@フレッシュプリキュア!、ルビスの魔剣@牙狼、鷹麟の矢@牙狼、ランダム支給品1~4(鋼牙1~3、村雨0~1)、翔太郎の右腕 [思考] 基本:俺は仮面ライダーだ。 0:ドウコクを連れて冴島邸に行く。 1:杏子に謝る。 [備考] ※参戦時期はTV本編終了後です。 ※他世界の情報についてある程度知りました。 (何をどの程度知ったかは後続の書き手さんに任せます) ※魔法少女の真実(魔女化)を知りました。 ※第三回放送指定の制限解除を受けました。彼の制限はフィリップ、ファングメモリ、エクストリームメモリの解放です。これによりファングジョーカー、サイクロンジョーカーエクストリームへの変身が可能となりました。 ※ダブルドライバーが破壊されました。また、フィリップが死亡したため、仮にダブルドライバーが修復されても変身はできません。 ※仮面ライダージョーカーとして変身した際、右腕でライダーマンのアタッチメントが使えます。 【血祭ドウコク@侍戦隊シンケンジャー】 [状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、苛立ち、凄まじい殺意、胴体に刺し傷、ほぼ泥酔状態 [装備]:昇竜抜山刀@侍戦隊シンケンジャー、降竜蓋世刀@侍戦隊シンケンジャー [道具]:大量のコンビニの酒 [思考] 基本:その時の気分で皆殺し 0:仕方がないので一也たちと協力し、主催者を殺す。 もし11時までに動きがなければ一也を殺して参加者を10人まで減らす。 1:マンプクや加頭を殺す。 2:杏子や翔太郎なども後で殺す。ただし、マンプクたちを倒してから(11時までに問題が解決していなければ別)。 3:嘆きの海(忘却の海レーテ)に対する疑問。 [備考] ※第四十八幕以降からの参戦です。よって、水切れを起こしません。 ※第三回放送後の制限解放によって、アクマロと自身の二の目の解放について聞きました。ただし、死ぬ気はないので特に気にしていません。 【外道シンケンレッド@天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕】 [状態]:健康 [装備]:烈火大斬刀@侍戦隊シンケンジャー、モウギュウバズーカ@侍戦隊シンケンジャー [道具]:なし [思考] 基本:外道衆の総大将である血祭ドウコクに従う。 [備考] ※外見は「ゴセイジャーVSシンケンジャー」に出てくる物とほぼ同じです。 ※これは丈瑠自身というわけではありませんが、はぐれ外道衆なので、二の目はありません。 時系列順で読む Back The Little MermaidNext 怪奇!闇生物ゴハットの罠 投下順で読む Back The Little MermaidNext 怪奇!闇生物ゴハットの罠 Back HOLDING OUT FOR A HERO!! - You need a hero - 沖一也 Next White page(前編) Back HOLDING OUT FOR A HERO!! - You need a hero - 左翔太郎 Next White page(前編) Back HOLDING OUT FOR A HERO!! - You need a hero - 血祭ドウコク Next White page(前編) Back HOLDING OUT FOR A HERO!! - You need a hero - 外道シンケンレッド Next White page(前編)
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三番目のN/孤門、目覚める ◆gry038wOvE その後、すぐに孤門一輝が目を覚ました。 孤門は、一度周囲をきょろきょろと見回して、そこが燃える街中でない事に気づいた。 かと言って、脱出に成功したわけでもなく、そこには他にもたくさんの参加者がいた。 なるほど、ガドルから逃げ去る事にだけは成功したらしいと、孤門は悟った。ただ、部屋の中にある異様な雰囲気も感じていないわけではない。 「……美希ちゃん、ここまでの状況を説明してくれる?」 「え、ええ……」 共に行動していたのは美希、または杏子だ。彼女らのいずれかに状況を聞くのが手っ取り早い。そして、落ち着いて信頼できる情報を提供してくれる相手としても、親しい相手としても、真っ先に美希に訊くようにしたのである。 ただ、美希がどうにもそれを言うのを躊躇っているのを見ると、また誰か犠牲者が出てしまったような感じがした。 予感は的中した。 「あのバラのタトゥの女の人は、倒しました。それに一応、ガドルを倒す事にも成功したけど……」 「二人、死んだ。フィリップの兄ちゃんと、鋼牙の兄ちゃんだ」 美希が言うのを躊躇った箇所を、杏子が横からさらりと言ったのだった。 そうして言ってしまうのは、やはり杏子の中のストレスをぶつける掃き溜めがどこにもなかったからだろう。 杏子の中では、孤門に詳細に情報を教えたい気持ちよりも、翔太郎を横目にした苛立ちの方が強く、一瞬でも何かを翔太郎の胸に響かせようと思ったのだ。あれでは、何にも心を動かさない人形のようである。──せめて、フィリップの死の事実が思い出される辛さでも何でもいいから、その人形に吹き込もうと思ったのだ。 「そうか……」 ふと孤門が目を向けた先には、項垂れて顔の見えない翔太郎がいた。彼の右腕がないのは、新しい着替えの服の先が細く垂れ下がって力なく揺れている事からもよくわかった。 それに驚きながらも、自分が意識を失っている間に人が死ぬ激戦が繰り広げられていた証としてそれを呑み込んだ。 孤門の頭は冴えなかった。やはり、近くにいた人間が死ぬのは寂しい物である。 ただ、やはり涙を見せるのは却って怒りを買う行為だった。本当に悲しんでいる人間が他にいくらでもいる以上、孤門は確実に冷静さを持って対処しなければならなかった。 「孤門、教えてくれ。これからの作戦についてだ」 石堀が横から問うた。 それを聞いて、孤門はずっと前に作戦を聞かれていた事を思い出す。あの時は確か、フィリップもいたはずだが、今はいない。切り替えなければならないようだ。 一人で説明する事自体の気が重くなるが、孤門は返事をした。 「はい。……わかりました」 気は進まないが、仕方がない。 孤門は石堀の方に言葉を返した。 「バットショットの映像をもとに、敵の居場所を探ります。この島の外がどうなっているかはわからないけど、人が住んでいたらコンタクトを取る。その可能性は低いみたいですけど、もし、誰も住んでいないとしても、おそらく相手は島の外にいる可能性が比較的高いですから」 「異世界からこちらを眺めている可能性は? 俺たちはそれぞれ、異世界から連れて来られたんだ。敵もこの世界にいるとは限らない」 この世界そのものが隔離されている可能性だって否めない。 その場合の対策方法は、それこそ時空移動を何とかして行わなければならなくなるわけだ。時空管理局や世界の破壊者などの外部からの助けを待つしかなくなる。 それまでどれだけ待てばいいだろうか。 もしかすればそれは果てしない事かもしれないので、当面は主体的に脱出を行わなければ話にならない。 「それについては、僕たちの知識では何もわかりません。ただ、この世界にいる可能性の方が高いと思います。主催側がホログラムを送ったり、参加者外の存在をよこしたり……そんな事って、同じ空間にいないとできないと思いませんか? 別の場所からそんな影響を与える事ができとは到底思えない──」 「確かに。妙に高等なやり方だな」 異世界移動の大変さをよく知っている石堀も納得する。 外部からこの殺し合いを運営するのはほぼ不可能だろう。 そう口にしたところで、横から涼邑零が口を挟んだ。 「待ってくれ。結城さんと俺の前には、一度ニードルが現れて言ったんだ。この島の外には何もないって……」 「何だと? 初耳だぞ」 自分たちの前に現れたニードルに言われた言葉を零は思い出したのだ。 「でも、仮に何もないとしても、島の外を探っておく必要があると思うんです」 孤門は一也、フィリップらと決めたある程度の算段を崩す気はなかった。 一也もそうだ。横で孤門を見つめている目には、孤門に対して口を挟む様子は一切ない。あくまでその瞳からは賛同の意思を発信している。ニードルの言葉よりも自分たちの作戦を信じる気持ちが強いのだ。 「少なくとも、他世界とこちらとを繋ぐ場所がどこかにあるかもしれません。そうなると」 「なるほど。やっぱり島の外に手がかりがある可能性が高いわけか」 「そうです。あとは、こちらも飛行手段や船を使って外部に出る。結界魔法がかかっていた場合はヴィヴィオちゃんや、それからレイジングハートが何とかできるはずです」 当初の作戦では、ヴィヴィオの魔法を使って結界魔法をどうにかする他ないとの事だったが、レイジングハートも加勢した。 これで、更に強い魔力がこちらに加えられ、一人にかかる負担は小さくする事ができる。 「もしウルトラマンの力に制限がかけられていなければ、……あ、又は、ウルトラマンの力の制限を解除する事ができれば、それを使って外に出るのが一番良い手だと思いますけど」 「……」 零が思案する。もう一度、ニードルの言葉を思い出してみる事にした。 孤門の作戦はこの島から外に出られる事を前提にしているが、それが果たして可能なのか、考え直してみたいのである。 『……そういう段階に来ているという事ですよ。いずれにせよ、あなたたちはこの島から外へは出られない。外には何もありませんし、どこへも行けません。強いていれば、そう、禁止エリアが使用できなくなるだけでしょうか。とにかく、最後の一人が決まるまで、あなたたちは囚われたまま……聞きたい事はそれだけですか?』 改めて考え直すと、正確にはニードルの言葉はこうだ。 気になるのは、『島から外には出られない』、『外には何もありませんし、どこへも行けません』という言葉であった。 これは、もしかすると、首輪以上の制限がどこかに存在するという事ではないだろうか。 「──島から外には出られない、外には何もないしどこへも行けない、というのがニードルの言葉だ」 「それは、ハッタリか、それとも真実か」 「バットショットは今のところ、問題なく外へ進んでいるみたいです。外へ出る事自体は可能みたいですね」 孤門はバットショットの映像を特殊i-podで確認して伝えた。 バットショットから送られる映像は、まだ一面の汚い海を映している。外は一応、晴れているのがはっきりと見えた。 「だとすると、やっぱりハッタリなのか?」 「だが、牽制したところで意味はない。一概にハッタリとは言えないかもしれない」 「外がこのまま海に囲まれていて、行く場所がないという意味かもしれない」 最後の案が確かに一番近い。 外部に何かの施設を作る意味はないのだ。 いや、だとすると……。 「海底、宇宙、地下。──そのどこかに、敵の基地があるのかも」 孤門の言葉で、全員がぎょっとした。 どれも突飛な言葉にしか思えない。だが、この主催者ならばやりかねないという感じだ。 「なんだよ、灯台下暗しってやつか」 「可能性が一番高いのが宇宙なのが恐ろしいところだな」 携帯電話の電波はマップ内に中継地がない以上、衛星を通じて発信されている可能性が特に高い。だとすると、本当にこの外の宇宙のレベルである可能性も否めないだろう。 「確かに外惑星である可能性も一つだが、……おそらく加頭たちはこの星にいるだろう」 一也が口を開いた。 そういえば、実体として現れている主催陣がいる。ホログラムだけならばともかく、実体として出現するにはそれなりの時間もかかるはずだ。 この会場に来る前にいたあの広間もどこかにあるはずであり、わざわざ外惑星からこの星に持ってくるのも妙な話である。 「奴らに訊くのが一番か。脅し取るしか手はない」 石堀が嘆息した。 「しかし、首輪がなくなった現在も、おそらく相手はこちらを監視しているはずだ。だが、作戦を全て包み隠さず報告しても妨害が一切来ない。相手も対策を練るのでは?」 「……確かにそうですけど、向こうはここまで全然妨害して来てません。妨害をするなら、おそらく首輪を解除した時点で来るでしょうし、きっとまだ考えや対策があるはずです」 「それもそうだな。俺たちはその上を行って余裕を崩してやればいいってわけか」 石堀は一応、孤門の考えた方針で行こうとは思っていた。 成功率は最初から低い物として見ている者が多数だろう。ただし無理ではないという希望に賭けている者ばかりだ。 駄目で元々、という消極的な言い方もできる。 この殺し合いを運営する存在が自分たちより遥かに高度な技術を持っている事を知りながら、それに抗おうとする意思ばかりはひたすらに強い。 ……石堀もまた、絶望の力でそれを成そうと考えている真っ最中であった。 (ダークザギの力が発動すればこちらの物だ。ウルトラマンだけじゃない。ここにいる全員の力を奪って俺の力にすれば、ゲームクリアだ──) ウルトラマン、プリキュア、仮面ライダー、シャンゼリオン、etc etc……。 彼らの力をそのまま己の力と成す事も不可能ではない。レーテまで辿り着いたなら、その時石堀は最強に変わるのだ。 時期はまだ早い。 全ては、「あいつ」に力が渡ってからの話だ。 △ ガイアセイバーズは、鳴海探偵事務所の時空魔法陣の前まで来ていた。 設定的には、今のところ全員この時空魔法陣で移動する事ができる。参加者の殺害数も使用上限も調整されており、誰も引っかからない仕組みだ。 ソルテッカマン1号機改が設置されているのを孤門が見つめる。これには酷い目に遭った、とでも思っているのだろう。 「……さて、準備はいいな?」 涼邑零が全員に声をかけた。 鳴海探偵事務所をこれから離れ、村エリアへと向かうのである。 その後は時空魔法陣の移動先はクリスタルステーションに設定される事になるため、忘れ物があると取りに行くのが面倒になるだろう。 ただ、誰も忘れ物がないのは明らかだった。 「いくぞ!」 零が掛け声とともに、時空魔法陣に飛び込んだ。 零の姿が光に飲まれ、眼前で消えていく。 それを見て、殆どの仲間たちが恐怖さえ覚えたが、すぐに全員息を飲んでこのテクノロジーへの恐怖を振り払った。 孤門たちは零に続いた。 【2日目 早朝】 【ガイアセイバーズ】 ※魔女に関する事、翔太郎・フィリップ間の考察以外のほぼ全部の情報を共有してます。 【ガイアセイバーズ全体の行動方針】 1:時空魔法陣を使って村エリアに移動する。 2:零による管理で時空魔法陣を作動。4つのチームに分け、それぞれ、「D-5」、「図書館」、「クリスタルステーション」、「待機」で行動する。 3:必要ならば、少し休む(睡眠はそんなに摂れませんでした)。 4:場合によっては相互通話。たまにバットショットから送られてくる映像も確認する。 【共有支給品(隊の分け方にもよってどれを所持するか変わります)】 ショドウフォン(レッド)@侍戦隊シンケンジャー スシチェンジャー@侍戦隊シンケンジャー 特殊i-pod@オリジナル (リンクルンなどの一部アイテムはまだ通話機能が生きていません) 【G-10 鳴海探偵事務所】 【孤門一輝@ウルトラマンネクサス】 [状態]:ダメージ(大)、ナイトレイダーの制服を着用、精神的疲労、「ガイアセイバーズ」リーダー、首輪解除 [装備]:ディバイトランチャー@ウルトラマンネクサス [道具]:支給品一式(食料と水を少し消費)、ランダム支給品0~2(戦闘に使えるものがない)、リコちゃん人形@仮面ライダーW、ガイアメモリに関するポスター×3、ガンバルクイナ君@ウルトラマンネクサス [思考] 基本:殺し合いには乗らない 1:みんなを何としてでも保護し、この島から脱出する。 2:ガイアセイバーズのリーダーとしての責任を果たす。 [備考] ※溝呂木が死亡した後からの参戦です(石堀の正体がダークザギであることは知りません)。 ※パラレルワールドの存在を聞いたことで、溝呂木がまだダークメフィストであった頃の世界から来ていると推測しています。 ※警察署の屋上で魔法陣、トレーニングルームでパワードスーツ(ソルテッカマン2号機)を発見しました。 ※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。 ※魔法少女の真実について教えられました。 【蒼乃美希@フレッシュプリキュア!】 [状態]:ダメージ(中)、祈里やせつなの死に怒り 、精神的疲労、首輪解除 [装備]:リンクルン(ベリー)@フレッシュプリキュア! [道具]:支給品一式((食料と水を少し消費+ペットボトル一本消費)、シンヤのマイクロレコーダー@宇宙の騎士テッカマンブレード、双ディスク@侍戦隊シンケンジャー、リンクルン(パイン)@フレッシュプリキュア!、ガイアメモリに関するポスター、杏子からの500円硬貨 [思考] 基本:こんな馬鹿げた戦いに乗るつもりはない。 1:ガイアセイバーズ全員での殺し合いからの脱出。 [備考] ※プリキュアオールスターズDX3冒頭で、ファッションショーを見ているシーンからの参戦です。 ※その為、ブラックホールに関する出来事は知りませんが、いつきから聞きました。 ※放送を聞いたときに戦闘したため、第二回放送をおぼろげにしか聞いていません。 ※聞き逃した第二回放送についてや、乱馬関連の出来事を知りました。 ※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。 ※魔女の正体について、「ソウルジェムに秘められた魔法少女のエネルギーから発生した怪物」と杏子から伝えられています。魔法少女自身が魔女になるという事は一切知りません。 【沖一也@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、強い決意、首輪解除 [装備]:なし [道具]:支給品一式(食料と水を少し消費)、ランダム支給品0~2、ガイアメモリに関するポスター、お菓子・薬・飲み物少々、D-BOY FILE@宇宙の騎士テッカマンブレード、杏子の書置き(握りつぶされてます) 、祈里の首輪の残骸 [思考] 基本:殺し合いを防ぎ、加頭を倒す 1:本郷猛の遺志を継いで、仮面ライダーとして人類を護る。 2:仮面ライダーZXか…。 [備考] ※参戦時期は第1部最終話(3巻終了後)終了直後です。 ※一文字からBADANや村雨についての説明を簡単に聞きました ※参加者の時間軸が異なる可能性があることに気付きました ※18時に市街地で一文字と合流する話になっています。 ※ノーザが死んだ理由は本郷猛と相打ちになったかアクマロが裏切ったか、そのどちらかの可能性を推測しています。 ※第二回放送のニードルのなぞなぞを解きました。そのため、警察署が危険であることを理解しています。 ※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。 ※ダークプリキュアは仮面ライダーエターナルと会っていると思っています。 ※第三回放送指定の制限解除を受けました。彼の制限はレーダーハンドの使用と、パワーハンドの威力向上です。 ※魔女の正体について、「ソウルジェムに秘められた魔法少女のエネルギーから発生した怪物」と杏子から伝えられています。魔法少女自身が魔女になるという事は一切知りません。 【高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはシリーズ】 [状態]:上半身火傷(ティオの治療でやや回復)、左腕骨折(手当て済+ティオの治療でやや回復)、誰かに首を絞められた跡、決意、臨死体験による心情の感覚の変化、首輪解除 [装備]:セイクリッド・ハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ、稲妻電光剣@仮面ライダーSPIRITS [道具]:支給品一式×6(ゆり、源太、ヴィヴィオ、乱馬、いつき(食料と水を少し消費)、アインハルト(食料と水を少し消費))、アスティオン(疲労)@魔法少女リリカルなのはシリーズ、ほむらの制服の袖、マッハキャリバー(待機状態・破損有(使用可能な程度))@魔法少女リリカルなのはシリーズ、リボルバーナックル(両手・収納中)@魔法少女リリカルなのはシリーズ、ゆりのランダムアイテム0~2個、乱馬のランダムアイテム0~2個、山千拳の秘伝書@らんま1/2、水とお湯の入ったポット1つずつ、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはシリーズ、ガイアメモリに関するポスター×3、『太陽』のタロットカード、大道克己のナイフ@仮面ライダーW、春眠香の説明書、ガイアメモリに関するポスター [思考] 基本:殺し合いには乗らない 1:生きる。 2:レイジングハート…。 [備考] ※参戦時期はvivid、アインハルトと仲良くなって以降のどこか(少なくてもMemory;21以降)です ※乱馬の嘘に薄々気付いているものの、その事を責めるつもりは全くありません。 ※ガドルの呼びかけを聞いていません。 ※警察署の屋上で魔法陣、トレーニングルームでパワードスーツ(ソルテッカマン2号機)を発見しました。 ※第二回放送のボーナス関連の話は一切聞いておらず、とりあえず孤門から「警察署は危険」と教わっただけです。 ※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。 ※一度心肺停止状態になりましたが、孤門の心肺蘇生法とAEDによって生存。臨死体験をしました。それにより、少し考え方や価値観がプラス思考に変わり、精神面でも落ち着いています。 ※魔女の正体について、「ソウルジェムに秘められた魔法少女のエネルギーから発生した怪物」と杏子から伝えられています。魔法少女自身が魔女になるという事は一切知りません。 【佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、ソウルジェムの濁り(中)、腹部・胸部に赤い斬り痕(出血などはしていません)、ユーノとフェイトを見捨てた事に対して複雑な感情、マミの死への怒り、せつなの死への悲しみ、ネクサスの光継承、ドウコクへの怒り、真実を知ったことによるショック(大分解消) 、首輪解除 [装備]:ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ、エボルトラスター@ウルトラマンネクサス、ブラストショット@ウルトラマンネクサス [道具]:基本支給品一式×3(杏子、せつな、姫矢)、リンクルン(パッション)@フレッシュプリキュア!、乱馬の左腕、ランダム支給品0~1(せつな) 、美希からのシュークリーム、バルディッシュ(待機状態、破損中)@魔法少女リリカルなのは [思考] 基本:姫矢の力を継ぎ、魔女になる瞬間まで翔太郎とともに人の助けになる。 1:翔太郎達と協力する。 2:フィリップ…。 [備考] ※参戦時期は6話終了後です。 ※首輪は首にではなくソウルジェムに巻かれています。 ※左翔太郎、フェイト・テスタロッサ、ユーノ・スクライアの姿を、かつての自分自身と被らせています。 ※殺し合いの裏にキュゥべえがいる可能性を考えています。 ※アカルンに認められました。プリキュアへの変身はできるかわかりませんが、少なくとも瞬間移動は使えるようです。 ※瞬間移動は、1人の限界が1キロ以内です。2人だとその半分、3人だと1/3…と減少します(参加者以外は数に入りません)。短距離での連続移動は問題ありませんが、長距離での連続移動はだんだん距離が短くなります。 ※彼女のジュネッスは、パッションレッドのジュネッスです。技はほぼ姫矢のジュネッスと変わらず、ジュネッスキックを応用した一人ジョーカーエクストリームなどを自力で学習しています。 ※第三回放送指定のボーナスにより、魔女化の真実について知りました。 【花咲つぼみ@ハートキャッチプリキュア!】 [状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、加頭に怒りと恐怖、強い悲しみと決意、首輪解除 [装備]:プリキュアの種&ココロパフューム、プリキュアの種&ココロパフューム(えりか)@ハートキャッチプリキュア!、プリキュアの種&シャイニーパフューム@ハートキャッチプリキュア!、プリキュアの種&ココロポット(ゆり)@ハートキャッチプリキュア!、こころの種(赤、青、マゼンダ)@ハートキャッチプリキュア!、ハートキャッチミラージュ+スーパープリキュアの種@ハートキャッチプリキュア! [道具]:支給品一式×5(食料一食分消費、(つぼみ、えりか、三影、さやか、ドウコク))、スティンガー×6@魔法少女リリカルなのは、破邪の剣@牙浪―GARO―、まどかのノート@魔法少女まどか☆マギカ、大貝形手盾@侍戦隊シンケンジャー、反ディスク@侍戦隊シンケンジャー、デストロン戦闘員スーツ×3(スーツ+マスク)@仮面ライダーSPIRITS、『ハートキャッチプリキュア!』の漫画@ハートキャッチプリキュア!、大量のコンビニの酒 [思考] 基本:殺し合いはさせない! 1:さやかを助ける。 2:この殺し合いに巻き込まれた人間を守り、悪人であろうと救える限り心を救う 3:……そんなにフェイトさんと声が似ていますか? [備考] ※参戦時期は本編後半(ゆりが仲間になった後)。少なくとも43話後。DX2および劇場版『花の都でファッションショー…ですか!? 』経験済み そのためフレプリ勢と面識があります ※溝呂木眞也の名前を聞きましたが、悪人であることは聞いていません。鋼牙達との情報交換で悪人だと知りました。 ※良牙が発した気柱を目撃しています。 ※プリキュアとしての正体を明かすことに迷いは無くなりました。 ※サラマンダー男爵が主催側にいるのはオリヴィエが人質に取られているからだと考えています。 ※参加者の時間軸が異なる可能性があることに気付きました。 ※この殺し合いにおいて『変身』あるいは『変わる事』が重要な意味を持っているのではないのかと考えています。 ※放送が嘘である可能性も少なからず考えていますが、殺し合いそのものは着実に進んでいると理解しています。 ※ゆりが死んだこと、ゆりとダークプリキュアが姉妹であることを知りました。 ※大道克己により、「ゆりはゲームに乗った」、「えりかはゆりが殺した」などの情報を得ましたが、半信半疑です。 ※所持しているランダム支給品とデイパックがえりかのものであることは知りません。 ※主催陣営人物の所属組織が財団XとBADAN、砂漠の使徒であることを知りました。 ※第二回放送のなぞなぞの答えを全て知りました。 ※良牙、一条、鋼牙と125話までの情報を交換し合いました。 ※全員の変身アイテムとハートキャッチミラージュが揃った時、他のハートキャッチプリキュアたちからの力を受けて、スーパーキュアブロッサムに強化変身する事ができます。 ※ダークプリキュア(なのは)にこれまでのいきさつを全部聞きました。 ※魔法少女の真実について教えられました。 【響良牙@らんま1/2】 [状態]:全身にダメージ(大)、負傷(顔と腹に強い打撲、喉に手の痣)、疲労(大)、腹部に軽い斬傷、五代・乱馬・村雨の死に対する悲しみと後悔と決意、男溺泉によって体質改善、首輪解除 [装備]:ロストドライバー+エターナルメモリ@仮面ライダーW、T2ガイアメモリ(ゾーン、ヒート、ウェザー、パペティアー、ルナ、メタル)@仮面ライダーW、 [道具]:支給品一式×14(食料二食分消費、(良牙、克己、五代、十臓、京水、タカヤ、シンヤ、丈瑠、パンスト、冴子、シャンプー、ノーザ、ゴオマ、バラゴ))、水とお湯の入ったポット1つずつ×3、子豚(鯖@超光戦士シャンゼリオン?)、志葉家のモヂカラディスク@侍戦隊シンケンジャー、ムースの眼鏡@らんま1/2 、細胞維持酵素×6@仮面ライダーW、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ、歳の数茸×2(7cm、7cm)@らんま1/2、デストロン戦闘員マスク@仮面ライダーSPIRITS、プラカード+サインペン&クリーナー@らんま1/2、呪泉郷の水(娘溺泉、男溺泉、数は不明)@らんま1/2、呪泉郷顧客名簿、呪泉郷地図、克己のハーモニカ@仮面ライダーW、テッククリスタル(シンヤ)@宇宙の騎士テッカマンブレード、『戦争と平和』@仮面ライダークウガ、双眼鏡@現実、ランダム支給品0~6(ゴオマ0~1、バラゴ0~2、冴子1~3)、バグンダダ@仮面ライダークウガ、警察手帳、ショドウフォン(レッド)@侍戦隊シンケンジャー [思考] 基本:天道あかねを守り、自分の仲間も守る 1:あかねを必ず助け出す。仮にクウガになっていたとしても必ず救う。 2:誰かにメフィストの力を与えた存在と主催者について相談する。 3:いざというときは仮面ライダーとして戦う。 [備考] ※参戦時期は原作36巻PART.2『カミング・スーン』(高原での雲竜あかりとのデート)以降です。 ※夢で遭遇したシャンプーの要望は「シャンプーが死にかけた良牙を救った、乱馬を助けるよう良牙に頼んだと乱馬に言う」 「乱馬が優勝したら『シャンプーを生き返らせて欲しい』という願いにしてもらうよう乱馬に頼む」です。 尚、乱馬が死亡したため、これについてどうするかは不明です。 ※ゾーンメモリとの適合率は非常に悪いです。対し、エターナルとの適合率自体は良く、ブルーフレアに変身可能です。但し、迷いや後悔からレッドフレアになる事があります。 ※エターナルでゾーンのマキシマムドライブを発動しても、本人が知覚していない位置からメモリを集めるのは不可能になっています。 (マップ中から集めたり、エターナルが知らない隠されているメモリを集めたりは不可能です) ※主催陣営人物の所属組織が財団XとBADAN、砂漠の使徒であることを知りました。 ※第二回放送のなぞなぞの答えを全て知りました。 ※つぼみ、一条、鋼牙と125話までの情報を交換し合いました。 ※男溺泉に浸かったので、体質は改善され、普通の男の子に戻りました。 ※あかねが殺し合いに乗った事を知りました。 ※溝呂木及び闇黒皇帝(黒岩)に力を与えた存在が参加者にいると考えています。また、主催者はその存在よりも上だと考えています。 ※バルディッシュと情報交換しました。バルディッシュは良牙をそれなりに信用しています。 ※鯖は呪泉郷の「黒豚溺泉」を浴びた事で良牙のような黒い子豚になりました。 【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】 [状態]:疲労(小)、ダメージ(小)、左肩に痛み、精神的疲労(小)、決意、眠気、首輪解除 [装備]:リンクルン@フレッシュプリキュア! [道具]:支給品一式×2(食料少消費)、カオルちゃん特製のドーナツ(少し減っている)@フレッシュプリキュア!、毛布×1@現実、ペットボトルに入った紅茶@現実、巴マミの首輪、工具箱、黒い炎と黄金の風@牙狼─GARO─、クローバーボックス@フレッシュプリキュア!、暁からのラブレター 基本:誰も犠牲にしたりしない、みんなの幸せを守る。 0:図書館の近くで魔女になるマミの事を──。 1:マミさんの遺志を継いで、みんなの明日を守るために戦う。 2:犠牲にされた人達のぶんまで生きる。 3:どうして、サラマンダー男爵が……? 4:後で暁さんから事情を聞いてみる。 [備考] ※本編終了後からの参戦です。 ※花咲つぼみ、来海えりか、明堂院いつき、月影ゆりの存在を知っています。 ※クモジャキーとダークプリキュアに関しては詳しい所までは知りません。 ※加頭順の背後にフュージョン、ボトム、ブラックホールのような存在がいると考えています。 ※放送で現れたサラマンダー男爵は偽者だと考えています。 ※第三回放送で指定された制限はなかった模様です。 ※暁からのラブレターを読んだことで、石堀に対して疑心を抱いています。 ※結城丈二が一人でガドルに挑んだことを知りました。 ※魔法少女の真実について教えられました。 【涼村暁@超光戦士シャンゼリオン】 [状態]:疲労(小)、胸部に強いダメージ(応急処置済)、ダグバの死体が軽くトラウマ、脇腹に傷(応急処置済)、左頬に痛み、首輪解除 [装備]:シャンバイザー@超光戦士シャンゼリオン、モロトフ火炎手榴弾×3、恐竜ディスク@侍戦隊シンケンジャー、パワーストーン@超光戦士シャンゼリオン [道具]:支給品一式×8(暁(ペットボトル一本消費)、一文字(食料一食分消費)、ミユキ、ダグバ、ほむら、祈里(食料と水はほむらの方に)、霧彦、黒岩)、首輪(ほむら)、姫矢の戦場写真@ウルトラマンネクサス、タカラガイの貝殻@ウルトラマンネクサス、スタンガン、ブレイクされたスカルメモリ、混ぜると危険な洗剤@魔法少女まどか☆マギカ、一条薫のライフル銃(10/10)@仮面ライダークウガ、のろいうさぎ@魔法少女リリカルなのはシリーズ、コブラージャのブロマイド×30@ハートキャッチプリキュア!、スーパーヒーローマニュアル?、グロンギのトランプ@仮面ライダークウガ [思考] 基本:加頭たちをブッ潰し、加頭たちの資金を奪ってパラダイス♪ 0:クリスタルステーションに向かいたい。 1:石堀を警戒。石堀からラブを守る。表向きは信じているフリをする。 2:可愛い女の子を見つけたらまずはナンパ。 3:変なオタクヤロー(ゴハット)はいつかぶちのめす。 [備考] ※第2話「ノーテンキラキラ」途中(橘朱美と喧嘩になる前)からの参戦です。 つまりまだ黒岩省吾とは面識がありません(リクシンキ、ホウジンキ、クウレツキのことも知らない)。 ※ほむら経由で魔法少女の事についてある程度聞きました。知り合いの名前は聞いていませんでしたが、凪(さやか情報)及び黒岩(マミ情報)との情報交換したことで概ね把握しました。その為、ほむらが助けたかったのがまどかだという事を把握しています。 ※黒岩とは未来で出会う可能性があると石堀より聞きました。 ※テッカマン同士の戦いによる爆発を目にしました。 ※第二回放送のなぞなぞの答えを知りました。 ※森林でのガドルの放送を聞きました。 ※第三回放送指定の制限解除を受けました。彼の制限は『スーパーヒーローマニュアル?』の入手です。 ※リクシンキ、ホウジンキ、クウレツキとクリスタルステーションの事を知りました。 ※結城丈二が一人でガドルに挑んだことを知りました。 【石堀光彦@ウルトラマンネクサス】 [状態]:疲労(小)、ダメージ(小)、首輪解除 [装備]:Kar98k(korrosion弾7/8)@仮面ライダーSPIRITS、アクセルドライバー+ガイアメモリ(アクセル、トライアル)+ガイアメモリ強化アダプター@仮面ライダーW、エンジンブレード+エンジンメモリ+T2サイクロンメモリ@仮面ライダーW 、コルトパイソン+執行実包(6/6) 、ロストドライバー@仮面ライダーW [道具]:支給品一式×6(石堀、ガドル、ユーノ、凪、照井、フェイト)、メモレイサー@ウルトラマンネクサス、110のシャンプー@らんま1/2、ガイアメモリ説明書、.357マグナム弾(執行実包×10、神経断裂弾@仮面ライダークウガ×2)、テッククリスタル(レイピア)@宇宙の騎士テッカマンブレード、イングラムM10@現実?、火炎杖@らんま1/2、血のついた毛布、反転宝珠@らんま1/2、キュアブロッサムとキュアマリンのコスプレ衣装@ハートキャッチプリキュア!、スタンガン、『風都 仕置人疾る』@仮面ライダーW、蛮刀毒泡沫@侍戦隊シンケンジャー、暁が図書室からかっぱらってきた本 [思考] 基本:今は「石堀光彦」として行動する。 1:「あいつ」を見つけた。そして、共にレーテに向かい、光を奪う。 2:周囲を利用し、加頭を倒し元の世界に戻る。 3:都合の悪い記憶はメモレイサーで消去する 4:加頭の「願いを叶える」という言葉が信用できるとわかった場合は……。 5:クローバーボックスに警戒。 [備考] ※参戦時期は姫矢編の後半ごろ。 ※今の彼にダークザギへの変身能力があるかは不明です(原作ではネクサスの光を変換する必要があります)。 ※ハトプリ勢、およびフレプリ勢についてプリキュア関連の秘密も含めて聞きました。 ※良牙が発した気柱を目撃しています。 ※つぼみからプリキュア、砂漠の使徒、サラマンダー男爵について聞きました。 ※殺し合いの技術提供にTLTが関わっている可能性を考えています。 ※テッカマン同士の戦いによる爆発を目にしました。 ※第二回放送のなぞなぞの答えを知りました。 ※森林でのガドルの放送を聞きました。 ※TLTが何者かに乗っ取られてしまった可能性を考えています。 ※第三回放送指定の制限解除を受けました。予知能力の使用が可能です。 ※予知能力は、一度使うたびに二時間使用できなくなります。また、主催に著しく不利益な予知は使用できません。 ※予知能力で、デュナミストが「あいつ」の手に渡る事を知りました。既知の人物なのか、未知の人物なのか、現在のデュナミストなのか未来のデュナミストなのかは一切不明。後続の書き手さんにお任せします。 ※結城丈二が一人でガドルに挑んだことを知りました。 【涼邑零@牙狼─GARO─】 [状態]:疲労(小)、首輪解除、鋼牙の死に動揺 [装備]:魔戒剣、魔導火のライター、カセットアーム [道具]:シルヴァの残骸、支給品一式×2(零、結城)、スーパーヒーローセット(ヒーローマニュアル、30話での暁の服装セット)@超光戦士シャンゼリオン、薄皮太夫の三味線@侍戦隊シンケンジャー、速水の首輪、調達した工具(解除には使えそうもありません) 、カセットアーム用アタッチメント六本+予備アタッチメント(パワーアーム、マシンガンアーム+硬化ムース弾、ロープアーム、オペレーションアーム、ドリルアーム、ネットアーム/カマアーム、スウィングアーム、オクトパスアーム、チェーンアーム、スモークアーム、カッターアーム、コントロールアーム、ファイヤーアーム、フリーザー・ショット・アーム) 、スタンスが纏められた名簿(おそらく翔太郎のもの) [思考] 基本:加頭を倒して殺し合いを止め、元の世界に戻りシルヴァを復元する。 0:鋼牙…。 1:殺し合いに乗っている者は倒し、そうじゃない者は保護する。 2:会場内にあるだろう、ホラーに関係する何かを見つけ出す。 3:また、特殊能力を持たない民間人がソウルメタルを持てるか確認したい。 [備考] ※参戦時期は一期十八話、三神官より鋼牙が仇であると教えられた直後になります。 ※シルヴァが没収されたことから、ホラーに関係する何かが会場内にはあり、加頭はそれを隠したいのではないかと推察しています。 実際にそうなのかどうかは、現時点では不明です。 ※NEVER、仮面ライダーの情報を得ました。また、それによって時間軸、世界観の違いに気づいています。 仮面ライダーに関しては、結城からさらに詳しく説明を受けました。 ※首輪には確実に異世界の技術が使われている・首輪からは盗聴が行われていると判断しています。 ※首輪を解除した場合、(常人が)ソウルメタルが操れないなどのデメリットが生じると思っています。→だんだん真偽が曖昧に。 また、結城がソウルメタルを操れた理由はもしかすれば彼自身の精神力が強いからとも考えています。 ※実際は、ソウルメタルは誰でも持つことができるように制限されています。 ただし、重量自体は通常の剣より重く、魔戒騎士や強靭な精神の持主でなければ、扱い辛いものになります。 ※時空魔法陣の管理権限の準対象者となりました(結城の死亡時に管理ができます)。 ※首輪は解除されました。 ※バラゴは鋼牙が倒したのだと考えています。 【左翔太郎@仮面ライダーW】 [状態]:疲労(極大)、ダメージ(大)、胸骨を骨折(身体を折り曲げると痛みます・応急処置済)、右腕切断、上半身に無数の痣(応急処置済)、照井と霧彦の死に対する悲しみと怒り、首輪解除、フィリップの死に対する放心状態と精神的ダメージ [装備]:ダブルドライバー(破壊)@仮面ライダーW、T2ガイアメモリ(アイスエイジ)@仮面ライダーW、犬捕獲用の拳銃@超光戦士シャンゼリオン、散華斑痕刀@侍戦隊シンケンジャー、魔導輪ザルバ@牙狼、スモークグレネード@現実×2、トライアクセラー@仮面ライダークウガ、京水のムチ@仮面ライダーW [道具]:支給品一式×11(翔太郎、スバル、ティアナ、井坂(食料残2/3)、アクマロ、流ノ介、なのは、本郷、まどか、鋼牙、)、ガイアメモリ(ジョーカー、メタル、トリガー、サイクロン、ルナ、ヒート)、ナスカメモリ(レベル3まで進化、使用自体は可能(但し必ずしも3に到達するわけではない))@仮面ライダーW、ガイアドライバー(フィルター機能破損、使用には問題なし) 、少々のお菓子、デンデンセンサー@仮面ライダーW、支給品外T2ガイアメモリ(ロケット、ユニコーン、アクセル、クイーン)、ふうとくんキーホルダー@仮面ライダーW、霧彦のスカーフ@仮面ライダーW、須藤兄妹の絵@仮面ライダーW、霧彦の書置き、スタッグフォン+スタッグメモリ(通信機能回復)@仮面ライダーW、スパイダーショック+スパイダーメモリ@仮面ライダーW、まねきねこ@侍戦隊シンケンジャー、evil tail@仮面ライダーW、エクストリームメモリ(破壊)@仮面ライダーW、ファングメモリ(破壊)@仮面ライダーW、首輪のパーツ(カバーや制限装置、各コードなど(パンスト、三影、冴子、結城、零、翔太郎、フィリップ、つぼみ、良牙、鋼牙、孤門、美希、ヴィヴィオ、杏子、姫矢))、首輪の構造を描いたA4用紙数枚(一部の結城の考察が書いてあるかもしれません)、東せつなのタロットカード(「正義」、「塔」、「太陽」、「月」、「皇帝」、「審判」を除く)@フレッシュプリキュア!、ルビスの魔剣@牙狼、鷹麟の矢@牙狼、ランダム支給品1~4(鋼牙1~3、村雨0~1)、翔太郎の右腕 [思考] 基本:放心・無気力状態。 0:フィリップ……。 [備考] ※参戦時期はTV本編終了後です。 ※他世界の情報についてある程度知りました。 (何をどの程度知ったかは後続の書き手さんに任せます) ※魔法少女の真実(魔女化)を知りました。 ※第三回放送指定の制限解除を受けました。彼の制限はフィリップ、ファングメモリ、エクストリームメモリの解放です。これによりファングジョーカー、サイクロンジョーカーエクストリームへの変身が可能となりました。 ※ダブルドライバーが破壊されました。また、フィリップが死亡したため、仮にダブルドライバーが修復されても変身はできません。 【レイジングハート・エクセリオン@魔法少女リリカルなのはシリーズ】 [状態]:疲労(大)、魔力消費(大)、娘溺泉の力で人間化 [装備]:T2ダミーメモリ@仮面ライダーW [道具]:バラゴのペンダント、ボチャードピストル(0/8)、顔を変容させる秘薬 [思考] 基本:悪を倒す。 1:零とは今後も協力する。 [備考] ※娘溺泉の力で女性の姿に変身しました。お湯をかけると元のデバイスの形に戻ります。 ※ダミーメモリによって、レイジングハート自身が既知の人物や物体に変身し、能力を使用する事ができます。ただし、レイジングハート自身が知らない技は使用する事ができません。 ※ダミーメモリの力で攻撃や防御を除く特殊能力が使えるは不明です(ユーノの回復等)。 ※鋼牙と零に対する誤解は解けました。 時系列順で読む Back 三番目のN/ああ鳴海探偵事務所Next HOLDING OUT FOR A HERO!! - I need a hero - 投下順で読む Back 三番目のN/ああ鳴海探偵事務所Next HOLDING OUT FOR A HERO!! - I need a hero - Back 三番目のN/ああ鳴海探偵事務所 孤門一輝 Next HOLDING OUT FOR A HERO!! - I need a hero - Back 三番目のN/ああ鳴海探偵事務所 高町ヴィヴィオ Next HOLDING OUT FOR A HERO!! - I need a hero - Back 三番目のN/ああ鳴海探偵事務所 沖一也 Next HOLDING OUT FOR A HERO!! - I need a hero - Back 三番目のN/ああ鳴海探偵事務所 蒼乃美希 Next HOLDING OUT FOR A HERO!! - I need a hero - Back 三番目のN/ああ鳴海探偵事務所 左翔太郎 Next HOLDING OUT 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Predestination ◆gry038wOvE 結城と零が冴島邸の直線的な廊下を歩いている。零の横顔は、その中にある全てを憎しみの目で見つめていた。 ……この豪勢な家の中には、色々と思うところがあるのだろう。地図上の「冴島邸」の名前から、結城は様々な想像をしてきたが、更にその上を行くような豪奢な家である。 見た感じでは、非常に綺麗な洋風の建物だ。魔戒騎士というのは、やはり随分と儲かるのだろうか? ましてや、その最高位という冴島鋼牙という男ならば、尚更だろう。仮面ライダーという慈善事業とは違い、魔戒騎士は職業としての側面も持っていると思われる(無論、その活動は秘密裏のようだが)。 しかし、そんな一方で、傍目の零は自分で縫いつくろった痕のあるコートを着ている。これも高そうだが、それは元値だけだろう。何度も買い換えた様子には見られない。いや、無数の縫い痕は、むしろ買い換えることへの過剰なまでの抵抗さえ感じられる。 何か思い入れのある品なのだろうか。結城はそこまで考えたが、あくまで黙っておいた。 いちいち、細かいことまで聞いて、反感を買っても困る。彼のコートが何であれ、この場で関係のあることではないだろう。 「……結城さん。一ついいかな?」 結城は、突然零に呼ばれて、疑問顔のままそちらを見る。まだ頭の切り替えをするには、少しばかり早い。この邸宅から考えうる、冴島鋼牙という男への考察はまだ済んでいないのだ。 零の表情は、強張ったまま、しかし、数秒前の憎しみの目とは異なる、何かに対する警戒に染まった目で結城に言葉を投げかけていた。 結城の目を見ようともしていないことから察するに、彼の視点の先に何かあるのだろう。目線を反らすことで、彼は結城に合図を送っているようだった。 何かいる、らしい。 ……確かに結城も、この家の中で何かを感じてはいたのだが、それをはっきりと掴めてはいない。 零は、あの先でもっと精密に何かを感じて睨んでいるのだろうか。 「二階から、誰か降りてくる」 視点の先に何かがあるというのは正解である。そこは柱で区切られていてうまく見えないが、階段の三段目までが、何とか視界に入った。 すると、二人は互いを向き合い、頷くと同時に階段へと駆け出した。結城と零は階段までの間合いを俊敏な動きで詰める。 それぞれの武器を────双剣を、ヘルメットをそれぞれの利き手に握り、数歩だけ歩けば、彼らの視界に、一瞬で階段の八段目まで映る。 零の動きの速さに、コートがふわりと風に浮いた。 彼が、目の前にある異変を感じたことで立ち止まると、靡いたコートは彼の背中にパサッと音を立ててくっついた。 この零のコートの背中に縫い付けられたマークは、かつて婚約者・静香により贈られたドリームキャッチャーを模している。 ──彼が背負い続けるものが、ピッタリと背中について彼を追ってくるようになっているのだ。 あの瞬間に知った怒りを、悲しみを、己の無力を、敵の名を忘れぬ為に、彼が自分自身に科した重い宿命の証である。皮肉にも、悪い夢を吸い取るはずのこのドリームキャッチャーこそが、彼にあの悪夢を何度となく思い出させていた。 「ナケワメェーケェー!!」 零の察したとおり、階段の方から不気味な怪物が降りてくるが、二人の戦士は驚くこともなく、それを見据えている。 これまでの経験上、怪物など珍しくも何ともないのである。むしろ、単体で襲ってくることや、容姿にグロテスクさがなく可愛気さえ感じることから、生易しい相手と思うほどだ。 結城丈二はライダーマン。涼邑零は魔戒騎士。……化け物を見ても反応を示さない理由など、それだけで充分だろう。 人の気配を感じた時点で構えていた剣を、あるいはマスクを、彼らは戦いの構えにもどす。 「ヤァッ!」 鋼の右腕を持つ男・ライダーマンが一瞬で変身する。結城がヘルメットを被ると、全身は強化スーツに包まれ、仮面ライダーの姿へと変身するのだ。 むしろ、この変身には怪物の方がギョッとしたようである。 何だか、調子の狂う相手だ。零は構えたまま動かない。鎧を召喚するにも、今はそのタイミングではないだろうことが明白だった。それほど強い相手ではなさそうだ。 「ロープアーム!」 彼の右腕が太いロープの束へと変形する。彼の意のままに発射されるロープの腕である。 彼はそれを使って、一瞬で目の前の怪物の体の四肢を包んだ。 的確に、敵の動きを止める妙技であった。数年来、このロープアームを腕としてきたライダーマンは、もはやこの技において、右に出る者なしの達人といえよう。 「……零、こいつは参加者ではないだろう。だが、これを操ってる参加者がここにいるかもしれない」 「鋼牙か……。捜してみる価値はあるかもな」 結城としては、それが冴島鋼牙であるかどうかは微妙に思ったが、ともかく操っている者がいる可能性を少なからず考えている。 参加者ではないにせよ、まだ主催者側がこの施設に送り込んだ措置という可能性も否めない。 ……が、どうにも、主催者が送り込んだ物とは思えないのだ。どうして、この施設に限りこんな怪物を寄越してくるのかが疑問である。警察署には、怪物などいなかったし、他の場所でも参加者外の怪物は見ていない。 また、この怪物が参加者により変身した戦士という可能性もあるが、形状が人間的でないことや、首輪が装着されてないことが不自然に感じられた。 零は二階へ登っていく。 それを見届けたうえで、目の前でロープを絡ませた相手を見つめた。 「ナケワメーケェ!」 怪物はあまりにも機械的に、この言葉だけを繰り返す。その性質はデストロン怪人にも似ている。 彼の鳴き声は、即ち、「泣け喚け」ということだろうか? しかし、状況と台詞が明らかに合致していない。異国の言葉を「泣けわめけ」と聞き取ったわけでもないだろう。 ……やはり、変身者とは思えない。 怪人たちとも、違う。 「意思疎通ができる相手でもないからな……どうすればいいか」 そのうえ、ライダーマンが今行っている動作は、戦闘ではなく、ただの棒立ちになっている。 ライダーマンは、もがけばもがくほどロープに絡まっていくこの生物をどうすればいいのか悩み、棒立ちしているのだ。 放っておいても良い相手であるような、そんな戦い甲斐のない敵。 果たして、これは倒すべき相手だろうか? 倒していい相手なのだろうか? よくよく考えていれば、こちらに目立った被害があったわけでもない。 「……やれやれ」 しゅるしゅると、ナケワメーケがもがくたびに自分の腕から伸びていくロープを見つめて、ライダーマンは苦笑いした。 これは、どうしようもない敵だ。何せ、倒させてくれない。 こいつがいたところで、誰も困らないのではないだろうか。階段から、何かを守るように襲ってくるこの奇怪な生物を、とりあえずライダーマンは縛り付ける。 「二階を見てみるか」 結城は変身を解き、階段を踏み出す。その際、ナケワメーケの巨体は邪魔なのだが、何とか切り抜けて歩き出した。 しかし、結城はこの場所が気にかかって仕方がない。 この家は、深く進めば進むほどに「何もない」。いや、確かに一般的な家には絶対にないようなものがいくらでもあるのに、殺人鬼が持っていそうな悪趣味な代物が、何もないのだ。 人を殺すような人間の邸宅にしては、あまりにも上品すぎる。 ……まあ、強いていえば、椅子の化け物がやや下品だろうか。 ★ ★ ★ ★ ★ 「あんたは……」 零は二階の一室に座する男の外見に心当たりがあった。 その男は、冴島鋼牙ではない。……だが、彼がその手の剣を彼に向けることに、躊躇を持つことはなかった。 彼はこの一室に置かれた全てを憎む。ベッド、花瓶、棚、机、埃の一片……そして、そこにポツンと佇む人間さえ。 この一室が冴島鋼牙の部屋であることは、「魔戒騎士らしい道具のある部屋」であることから明白であったから、零の眉は半ば強制的に顰められたのだ。 零の記憶に残る、血で汚れたあの部屋と、この綺麗に整えられた部屋──一体、どちらが殺人鬼の部屋であるべきか。神という者に良心があれば、二つの部屋の居住者は逆であるべきなのではないだろうか。そんな怒りが、零の中に湧き起こる。 しかし、彼は無機質な「部屋」よりも、まずはそこにいる「人間」に語りかけた。 「相羽タカヤ、か……?」 この男は、警察署にいた相羽タカヤという男と全く同じ外見だったのだ。しかし、雰囲気は似ても似つかない。どちらも底知れぬ闇を感じさせる表情である。 柔和な表情をしているのはどちらかといえば、今零の目の前にいるタカヤの方だろう。彼は、警察署で会ったタカヤよりも温厚そうな雰囲気であった。……しかし、その実、あのタカヤよりも感情の見えない不気味さを感じさせた。 あちらのタカヤを見た時、零は少なくとも、あの憎しみや怒りなどの激情を露にした彼に、どことない共感を覚えたような気がする。 このタカヤには、そういうものが一切ない。 「へえ、兄さんに会ったのか……」 「兄さん……? あんたは、タカヤじゃないっていうのか」 相羽シンヤ、相羽ミユキの二つの名が名簿にはあった。どちらも、男性に在り得る名前であるが、ミユキの名は既に死者として呼ばれているため、自動的に彼はシンヤということになる。 二人の外見が相似しているのは、双子であるからという可能性が高い。……となると、やはり親族が似たような名前をつけられる不思議な風習が由縁だろう。 たとえるなら、────冴島大河と、冴島鋼牙のように。 「そうか。相羽シンヤか」 「ご明察の通り、僕は相羽シンヤだ」 そう言って、男は微笑む。やはり、タカヤの数百倍、彼は不気味だった。 口調がタカヤとは別物で、無邪気なように聞こえることが、何処かの誰か───零にとっては、鏡の向こうからしか見られない誰かに似ている。 だから、零には余計に不気味なのだ。 「……それより、兄さんのことを知っているようだったけど、実際のところどうなんだい? はっきり話したというなら、どこで会ったかを訊きたいな」 一方、シンヤの興味は一点、そこにあるようだった。 危害を加えようという様子は全く見られないが、実のところ、この笑顔の裏になにが隠れてるのかはわからない。だから、零は剣を垂らしたままだった。 しかし、垂らしているだけで、構えることを忘れさせている。シンヤの不気味さが、零の理解を超えているから、剣を持って警戒することさえ、この時ばかりは忘れていた。 そして、何の切欠もなしに、はっと我に返る。 俺は屈強な魔戒騎士だろう、と。 「……ああ、知っているよ。だが、その前に俺からも一ついいかな?」 この男はここにいたのだ。 タカヤのことを話す前に、自分の捜し人のことも訊かなければならない。 何より、それが零の最優先事項なのだから。 「冴島鋼牙っていう男が、ここに来なかったか?」 「それに答えれば、兄さんと会った場所を教えてくれる……そういうことでいいのかな?」 「ああ」 それぞれ、駆け引きの材料としては良い条件だったかもしれない。 何せ、シンヤは鋼牙に会っている。零はタカヤに会っている。それゆえ、これはフェアな駆け引きになる。 結果的に、互いが必要とする情報を得られるのだ。ここで、シンヤが鋼牙の情報を一切持っていなければ、零には手掛かりらしいものも入って来ず、焦燥するに違いない。 「……確かに冴島鋼牙はここに来た。……白いコートの男だろう? 朝が明けたくらいだったな……どこに行ったのかは、知らないし、興味もないよ」 シンヤはそう述べる。 直後に、ダンッ、と壁を叩く音が部屋に鳴り響いた。シンヤは一切動揺しない。目の前の男が発した音なのは、見ればわかるのだから。 「……クソォッ! もっと早くここに来ていれば!」 ……あらゆる行動が零を遅らせなければ、彼は鋼牙に遭遇していた可能性が極めて高い。 壁に裏拳を発する彼は、そんなすれ違いに対する怒りを露にするが、当のシンヤは淡々としている。零には一切無関心だ。 激情している零には、そんな態度が腹立たしく思えたが、約束は反故にはしない。 「で、タカヤ兄さんはどこにいた?」 「……警察署だ。少なくとも、黎明ごろまではそこにいた!」 八つ当たりじみた言い方だが、シンヤは情報を得られたことを素直に感謝する。 タカヤに会えるのなら、問題などない。彼にとって一番の問題は「タカヤに会えないこと」であり、その問題を回避する手段の手掛かりを得られたのなら、どんな態度をとられようが構わないのだ。 本来ならば、この場で零を消すのも良い。 しかし、体力は使いたくない。これから、移動することになるのである。 「不思議だな。俺とあんたの立場が逆だったら、互いが会いたい人間と会うことが出来たっていうのが」 「ああ……。厭な偶然だな。あんたと入れ替わりたかったよ」 そういえば、シンヤは眼前の男の名前を聞いていなかったことに気づく。 「そうだ、名前を訊いてなかったね」 「……それを聞いて何になる」 「さあ、きっと何の足しにもならないさ。……でも、俺だけが名前を名乗るなんて、フェアじゃない」 シンヤの言い分はもっともだ。興味のない相手にしろ、情報提供者の名前を聞かないと後々面倒だ。 ガセネタだったのなら、責める場所もないし、真実だったのなら、感謝する相手もない。 ゆえに、彼はとにかく、名前を聞きたがった。 「俺は銀牙騎士ゼロ……涼邑零だ」 その名前を聞いて、何を感じることもなく、シンヤは歩き出す。 案外、聞く前の興味に対して、聞いた後の感想とは味気ないものだ。変わった名前だろうが、それがシンヤにとって何になることもない。 「俺にはもう、あんたへの用はないよ。あんたもそうだろう?」 「ああ」 シンヤは、ドアノブに手をかけ、部屋を後にする。 零は、もうシンヤに興味はなかった。あるのは、ただ自分の行動が早ければ鋼牙と会えたのだろうという後悔のみだ。 そのもどかしさが零を苛立たす。どこへ行ったのか、零は少し考えた。 ここはマップの中央。向かう場所は360度、あらゆる可能性があったのだから。 ★ ★ ★ ★ ★ 「……どうやら、積極的に殺し合う気はないようだな……相羽シンヤ」 シンヤがドアを潜ると、そこには腕を組んだ青年が、壁にもたれて盗み聞きするように立っていた。 結城丈二である。彼の今、この瞬間のスタンスは「様子見」である。 シンヤと零に、それぞれ交戦する様子がなかったことから、判断を遅らせたのだ。 シンヤは、警戒した目つきで結城を睨んだ。知らない相手なのだから当然である。 「私も彼と同じように、相羽タカヤに会っている。そして、君との因縁も把握している」 「だったら何だい? 止めるっていうなら……」 「君はおそらく、ラダムに支配されながらも、兄に執着する弟の心は失っていない。人間らしい心を盛ったままのタカヤもまた同じだ。それなら、まず君たちは互いにコンタクトする必要がある。 私は今、この場で君たちの再会の邪魔をすることはしないさ。……第一、君には他の参加者を襲う様子も見られないしな」 結城はそう告げる。 「……誰だか知らないけど、邪魔をしないのなら俺は何だろうが一向に構わない」 「そうか。……本来なら君の邪魔をしたいところだったが、零で手一杯だからな……」 シンヤの危険行為を止める道。それは、仮面ライダーとして当然の行為だろう。 だが、この場には復讐に燃える零もいる。彼の私情は、かつての自分のような男・零に同行する道を選んだ。 それに、殺し合いの場において、シンヤは積極的に殺す気はないという。あるとすれば、ここから逃れた後の日常だろう。その後のシンヤを止めるというのなら、それはやはりタカヤ──いや、テッカマンブレードの役割りだ。 「ナケワメーケ、バットショット、スタッグフォン、行くよ」 階段の下のナケワメーケのロープを外して、シンヤはすぐこの家を出る。 ナケワメーケを移動手段として、警察署や街の方に向かう予定だ。 「……零」 結城は、ドアの向こうの部屋で後悔している零を呼びかける。 部屋を荒らさないだけ利口だ。仮にそんなことをしても何にもならないのだから。 「近くをあたった方がいいぞ、零。鋼牙がまだ近くにいるかもしれないのなら、早いうちに捜すの得策だ」 そんな結城の一言で、零ははっと我に返る。 この考えが浮かばなかったわけではないが、「急がば回れ」の言葉通り、少し鋼牙の行方を考察した。 ……だが、それを考えたところで、結局は同じことだった。それなりの考えの下、ここへ来ても鋼牙はいない。それならば、いっそ直感に頼るか。 「そうだな、俺は────」 零は、脳内で地図をシミュレーションし、ある施設を指差していた。 次は、その施設に向かおう。結城がついて来るなら、それはそれで構わない。 気づけばもう、放送から二時間以上経っているが、彼らは戦闘らしい戦闘に遭っていない。 向かう先に戦いはあるだろうか? 零の決断は、正しく鋼牙のもとへと導くのだろうか? ★ ★ ★ ★ ★ 【1日目/昼前 E-5 森/冴島邸】 【結城丈二@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:健康 [装備]:ライダーマンヘルメット、カセットアーム [道具]:支給品一式、カセットアーム用アタッチメント六本(パワーアーム、マシンガンアーム、ロープアーム、オペレーションアーム、ドリルアーム、ネットアーム) 、パンスト太郎の首輪 [思考] 基本:この殺し合いを止め、加頭を倒す。 1:殺し合いに乗っていない者を保護する 2:零と共に冴島邸へ向かう。 3:一文字、沖、村雨と合流する 4:加頭についての情報を集める 5:首輪を解除する手掛かりを探す。 その為に、異世界の技術を持つ技術者と時間操作の術を持つ人物に接触したい。 6:タカヤたちとはまた合流したい。 7:また、特殊能力を持たない民間人がソウルメタルを持てるか確認したい。 [備考] ※参戦時期は12巻~13巻の間、風見の救援に高地へ向かっている最中になります。 ※この殺し合いには、バダンが絡んでいる可能性もあると見ています。 ※加頭の発言から、この会場には「時間を止める能力者」をはじめとする、人知を超えた能力の持ち主が複数人いると考えています。 ※NEVER、砂漠の使徒、テッカマン、外道衆は、何らかの称号・部隊名だと推測しています。 ※ソウルジェムは、ライダーでいうベルトの様なものではないかと推測しています。 ※首輪を解除するには、オペレーションアームだけでは不十分と判断しています。 何か他の道具か、または条件かを揃える事で、解体が可能になると考えています。 ※NEVERやテッカマンの情報を得ました。また、それによって時間軸、世界観の違いに気づいています。 ※零の狙う仇が冴島鋼牙である事を知りました。 彼が復讐心に捉われる様ならばそれを力ずくでも止めるつもりです。 ただし、鋼牙を討つ事そのものに関しては全否定をしておらず、もし彼が倒すべき悪であったならば倒すべきだと考えています。 ※首輪には確実に良世界の技術が使われている・首輪からは盗聴が行われていると判断しています。 ※零から魔戒騎士についての説明を詳しく受けました。 ※首輪を解除した場合、ソウルメタルが操れないなどのデメリットが生じると思っています。 ※彼にとっての現在のソウルメタルの重さは、「普通の剣よりやや重い」です。感情の一時的な高ぶりなどでは、もっと軽く扱えるかもしれません。 【涼邑零@牙狼─GARO─】 [状態]:健康 [装備]:魔戒剣、魔導火のライター [道具]:支給品一式、スーパーヒーローセット(ヒーローマニュアル、30話での暁の服装セット)@超光戦士シャンゼリオン、薄皮太夫の三味線@侍戦隊シンケンジャー [思考] 基本:加頭を倒して殺し合いを止める。 0:××××に向かう(後続の書き手に任せます。どこかの施設です) 1:牙狼を見つけ出し、この手で仇をとる。 2:鋼牙が向かう可能性があるため、冴島邸に向かう 3:殺し合いに乗っている者は倒し、そうじゃない者は保護する。 4:会場内にあるだろう、ホラーに関係する何かを見つけ出す。 5:結城に対する更なる信頼感。 6:また、特殊能力を持たない民間人がソウルメタルを持てるか確認したい。 [備考] ※参戦時期は一期十八話、三神官より鋼牙が仇であると教えられた直後になります。 その為、鋼牙が恋人と師の仇であると誤認しています。 ※魔導輪シルヴァは没収されています。 他の参加者の支給品になっているか、加頭が所持していると思われます。 ※シルヴァが没収されたことから、ホラーに関係する何かが会場内にはあり、加頭はそれを隠したいのではないかと推察しています。 実際にそうなのかどうかは、現時点では不明です。 ※NEVER、仮面ライダーの情報を得ました。また、それによって時間軸、世界観の違いに気づいています。 仮面ライダーに関しては、結城からさらに詳しく説明を受けました。 ※もしも結城が自分の復讐を邪魔するつもりならば、容赦はしないつもりでいます。 ※首輪には確実に異世界の技術が使われている・首輪からは盗聴が行われていると判断しています。 ※首輪を解除した場合、(常人が)ソウルメタルが操れないなどのデメリットが生じると思っています。 また、結城がソウルメタルを操れた理由はもしかすれば彼自身の精神力が強いからとも考えています。 ※実際は、ソウルメタルは誰でも持つことができるように制限されています。 ただし、重量自体は通常の剣より重く、魔戒騎士や強靭な精神の持主でなければ、扱い辛いものになります。 ★ ★ ★ ★ ★ ナケワメーケの背中に揺られながら、シンヤは森を走っている。 向う先は街エリアだ。街にまだタカヤがいるのか否かはわからないが、少なくとも街を出る理由は考えられないだろう。 第一、テッカマン同士では、同じ街エリアにいれば充分な相互認識可能範囲だし、気配を感じられる能力を使用すればいい話。ともかく、零とは違い、向かうことに意味があるのだ。 11時のボーナスについても、向かう先は施設が多数点在する場所である。相手の居場所もほぼわかっているくらいなので、あそこに留まる必要もなければ、ボーナスとやらを待つにも街エリアのほうが都合が良いだろう。 (タカヤ兄さん……どうやら、このまま戦えそうだよ) ナケワメーケの速度はそれなりに速い。人間を超越した存在なのは確かなのだ。 彼が、シンヤを冴島邸から離していく。 しばらく居座った場所とはオサラバだ。 (ただ、きっと、それが最後だ……僕がタカヤ兄さんと一緒にいられる最後の機会だよ) おそらく、この先でタカヤと戦えば、シンヤは死ぬ。結果的に勝っても、負けても、彼のその後は保証されない。勝敗を決する前に果てる可能性さえありえる体だ。 負ければもちろん死ぬ。勝てば全てをやりつくした安心感が、彼というものを保ってきた一本の細い糸を切ってしまうだろう。 彼の行き先は、このまま定まっていった────。 【1日目/昼前 F-6 森】 【相羽シンヤ@宇宙の騎士テッカマンブレード】 [状態]:ブラスター化の副作用による肉体崩壊、ナケワメーケで移動中 [装備]:テッククリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード [道具]:支給品一式×3、バットショット&バットメモリ@仮面ライダーW、スタッグフォン&スタッグメモリ@仮面ライダーW、椅子型のナケワメーケ@フレッシュプリキュア!、 T2メタルメモリ@仮面ライダーW、水とお湯の入ったポット1つずつ(変身3回分消費)、力の源@らんま1/2、不明支給品(パンスト)0~1 [思考] 基本:タカヤ(ブレード)と決着を着ける。 1:街エリア(主に警察署付近)に向かい、タカヤを捜す。 2:タカヤと戦う時以外は出来るだけ戦いを避ける。 3:11時ごろ、街エリアの施設を気にしてみるのも良いだろう。 [備考] ※参戦時期はブラスター化完了後~ブレードとの決戦前(第47話)です。 ※ブラスター化の副作用により肉体限界が近いです。戦い続ければ命に関わります。 ※参加者の時間軸が異なる可能性に気付きました。 時系列順で読む Back ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(後編)Next 悲しき道 投下順で読む Back ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(後編)Next 悲しき道 Back 赤い戦慄 相羽シンヤ Next 勝利のテッカマン(前編) Back ~SILVER REQUIEM~ 結城丈二 Next あざ笑う闇 Back ~SILVER REQUIEM~ 涼邑零 Next あざ笑う闇